2017.11.13
寺尾会計の税務的な毎日
税を考える週間:「控除額」ってなんだろう?
毎年11月11日から17日のこの1週間は『税を考える週間』です。
これは、
税の仕組みや目的等、国の基本となる税と税務行政について、
国民各層がより能動的に、また、一層深く理解してもらうことを目指して、
国税庁が行っている広報・広聴週間です。
国税庁のHPにも、特設ページが設けられます。
http://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/week/index.htm
このメルマガでも毎年、税の豆知識を紹介していますが
今年は速算表にある「控除額」について取り上げたいと思います。
そろそろ始まる年末調整で使う所得税の速算表は
以下の通りです。
速算表を使う際、税額は 所得金額 × 税率 – 控除額 と計算しますが
この「控除額」とはなんだろうと思われたことはありませんか。
源泉所得税を含む所得税や、相続税、贈与税などには
「超過累進税率」方式が採用されています。
これは、所得金額(課税価格)が高いほど、高い税率を乗じる方式のことです。
例えば、所得が200万円の場合、
195万円には5%、
195万円を超えた5万円分には10%の所得税が課されます。
つまり、所得税額は
(195万円×5%)+(5万円×10%)=10万2,500円 です。
しかし速算表では、計算を簡単にするために
200万円×10% -97,500円 =10万2,500円と計算します。
図に表すと以下のように、
最初に赤い四角の金額を求め、黄色部分を控除することになります。
この黄色部分の金額が「控除額」なのです。
「200万円の税率は10%」とありますが、
195万円までの金額に適用される税率は5%であるために
このような控除額が必要となるのです。
知らなくても過ぎていく小さなことでも、腑に落ちると面白いものです。
「分からなくてもいいんだけれど・・・」ということでも
ぜひお声がけください。