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コラム

2020.09.13

経営支援資料館

地方の中小企業を元気にするアドバイザーの挑戦⑥             ~商店街の空き店舗で、あるものを生かし、ないものを作れ~

直鞍ビジネス支援センター
センター長  岡田高幸

皆さんこんにちは。直鞍(ちょくあん)ビジネス支援センターの岡田高幸です。

先日、NikonのF2という古いフィルムカメラを入手しました。
1971年に製造された個体で、ほどよく使い込まれた外観に惹かれオークションで
落札しました。

50年近く前のフィルムカメラでもメンテナンスさえされていれば、しっかりと写ります。

デジタル主流の時代だからこそフィルムの文化を楽しみたいと思います。

さて、前回に続き、ご支援事例の紹介です。

●女性起業家様のお悩み

ある女性から「地域の商店街空き店舗を活用し、人が集まりゆっくり過ごす場を作りたい」
とのご相談がありました。

その女性は、廃校を利用して子ども達を集める活動などをされていた方です。

地域の風情を感じさせる宿泊施設と飲食店の融合という理想の姿は思い描けているものの、
どのような手段で実現したら良いかが分からず、
特に融資の申し込みなど金融機関との交渉が不安とのことでした。

●私からのアドバイス

実現したい夢が明確でしたので、
私のご支援は「創業融資を受けるための事業計画作り」に注力しました。

具体的には創業融資への申し込みという機会を利用し、
持続可能なビジネスモデルを構築するお手伝いです。

また、
私の前職の経験から金融機関に提出する各種資料作りの3つのポイントをお伝えしました。

  • 資料に盛り込んだ数字の説明を口頭でできるように準備しておく、
  • ご自身の経歴などの参考資料をできるだけ添付する、
  • 数字の整合性を意識する、の3点です。

事業計画書を作成し、その内容を自分の言葉で丁寧に金融機関のご担当者に説明できる
ように準備をした結果、無事に創業融資を受けることができ、
店舗をオープンさせることができました。

余談ですが、この方は他の公的支援機関にも出向いたところ、
家庭のある女性が借金を背負ってまで創業することのリスクを諄々と説明されたそうです。

公的支援機関に来られる女性相談者はまだ夢が具体化されていないことも多く、
支援者が理解しづらいが故に質問攻めの対応や事業を思いとどまるよう薦めてしまうこと
もよくあるようです。

無事に開店させることのできた相談者様からは
「話を聞いてくださって、信頼することができました。自分の考えているやりたいことが
ビジネスの手法によって実現可能であるということを教えていただきました」との
お言葉をいただきました。

なおこのご支援事例は、
起業を志す女性の想いに寄り添いながら事業化までをサポートした点が評価され、
昨年度開催された経済産業省の女性起業家支援コンテストで優秀賞を受賞しました。

●ここがポイント!

この事例のように、想いはあるがどうしたらよいのかわからないという方も
当センターにはいらっしゃいます。

「具体的にやりたいことが見つかってから相談に来てください」と突き放すのではなく、
起業までのプロセスやイメージを一緒に形作るところからご支援をおこなうよう心がけて
います。

起業は究極の自己実現の手段です。

相談者様の夢を実現するためのお手伝いをすることが、
我々支援機関に求められていることだと考えています。

今回でこのコラムも最終回です。これまでお付き合いいただきありがとうございました。

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