2021.01.23
経営支援資料館
「思わず買わせてしまう顧客心理学」のIT活用術 第5回 決定回避の法則 選択肢の数で左右される購買心理
リフォーカス株式会社
片桐かほり
1.「決定回避の法則」とは
「決定回避の法則」とは、選択肢が多くなると商品を選ぶ際の決断力が低下する、
という心理効果です。
決断力が低下すると、購入意思が低下するということです。
「人は選択肢が多ければ多いほど喜んで買い物をしてくれる」
と思ってしまう方は多いのではないでしょうか。
2.「多すぎる選択」の弊害に気付かない経営者
例えばケーキ屋さんの場合。
たくさんの種類の中にチョコレートケーキが1~2種類というのは普通です。
これが5種類だとちょっと多いと感じてしまいませんか。
よほどチョコレートケーキが好きな方ならうれしいかもしれませんが、
多すぎると選ぶのが面倒になりやすいものです。
なぜ面倒と感じてしまうのでしょうか?
一番適した商品を選ぶときは、各々の特長を把握する必要があります。
ですから、選択肢が多いと、もはや「選ぶ楽しさ」よりも「選ぶ義務感」を感じてしまいます。
「選ぶ義務感」はお客様への負担になってしまい、
これが購入率の低下につながることがあります。
3.種類を多くすることのデメリット
結論的にいえば、種類を多くすることのデメリットとは、経費・労力。
そして先ほど述べた「購入率の低下」です。
種類を多くすることで材料費が無駄になりますし、賞味期限があるものだと
売れ残りの廃棄量が増えます。
また用意や準備にかける労力が通常よりも必要になります。
場合によってはパッケージの種類も増えることになるでしょう。
一番困るのが、購入意欲が低下し売上が下がることです。
この裏付けは、コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授のジャム実験が有名です。
ジャムが24種類のときは購入率3%、6種類のときは購入率30%という結果がでました。
このことよりアメリカでは品数を少なくするという店舗が増えているそうです。
もちろんすべての場合にこの結果があてはまる訳ではありませんが、
もしあなたが商品数を増やすのなら、シーナ教授が行ったような簡単な実験を行い
本当に購入率が低下するか否かを調査したほうがよいでしょう。
今回は、購買心理は商品の種類数によって左右され、
種類が多すぎると逆効果になることがある、というお話でした。