2021.02.23
社長応援日記
約束手形の近い将来
2月19日に約束手形の利用廃止を目指す方針を経済産業省が固めました。
約束手形は取引先への支払を猶予してもらい、
振出人側の資金繰りの負担を軽減する手段として江戸時代から用いられてきました。
しかし、以下の現状をかんがみ、約束手形の利用を廃止していくべきと判断されました。
- 受取人の9割、振出人の7割超に「やめたい」との意向があること
- 立場の弱い受注側企業の資金繰りを圧迫しがちであること
- 支払いサイトが長い(現金振込の場合の約2倍)こと
- 紙媒体である約束手形が、取引の電子化を阻むこと
- 資金調達がしやすくなった現代においては、その存在意義が下がっていること
5年後を目途に約束手形の利用を廃止し、
銀行振込や電子手形への移行を進めるように各業界に対応が求められます。
具体的には、次のような対応が各業界に呼びかけられています。
・大企業から順に約束手形決済の廃止に取組む
・電子的決済手段の利用手数料の引下げ
・電子手形の仲介インフラである「でんさいネット」のシステム改修
・資金繰り改善に対する公的支援
・企業間取引の電子化・効率化のためのITサポート
支払いサイトの短縮化が企業間取引の迅速性・効率性に資するという認識の下、
3年後を目途に、電子手形を含む約束手形の決済期限を
60日以内(現行120日以内)に短縮する方針も決めています。
約束手形は、無利息でできる借入として振出側に有利な面もありますが
資金繰りを複雑にします。
約束手形の利用が多い企業については
取引先様とともに支払方法を考える良い機会ではないでしょうか。
参考HP:経済産業省「約束手形をはじめとする支払条件の改善に向けた検討会」報告書
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/shiharaikaizen/2021/210219shiharaikaizen03.pdf
NHK約束手形 2026年めどに利用廃止を求める方針を決定 経済産業省
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210219/k10012877141000.html