2021.03.13
寺尾会計の税務的な毎日
優秀な人材確保と奨学金代理返済
令和3年4月から、奨学金返済について、
奨学金の貸与・給付等の事業を行う日本学生支援機構(JASSO)が
新たな取組み【企業の奨学金返済支援制度】を始めます。
この制度を利用すれば、企業が従業員の奨学金を負担する場合に、
企業にとってはその返還額を全額損金に算入することができ、
従業員にとってはその返還額に給与課税がされないこととなります。
現行制度では、奨学金を従業員が自らJASSOへ返還する必要があります。
そこで、会社が従業員の奨学金を肩代わりしようとする場合、
会社が奨学金の返還分を従業員の給与に上乗せし、
従業員が自ら奨学金を返済するという流れになります。
所得税法上、学資に充てるために給付される金品は非課税です。
しかし、
現行の方法では、その上乗せ分が実際に奨学金の返還に充てられたかどうかを
確認することができないため
原則、上乗せ分も給与等として源泉徴収の対象となっていました。
今後、新たな制度を利用すれば、
企業が負担する金銭が学資に充てられるために給付されたものであることが
明確になるため、非課税になるというわけです。
優秀な人材確保や従業員の離職を防ぐため、奨学金返済制度を検討してみる
よい機会ではないでしょうか。
参照HP:日本学生支援機構 企業の奨学金返還支援(代理返還)制度
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kigyoshien/index.html