2021.05.13
経営支援資料館
アフターデジタルの時代がやってきた 第4回 A Iに仕事が奪われる?
YouTuber
すぎやま先生
仕事の47%がなくなる?
「コンピュータに仕事が奪われる」 と言われはじめて5年が経ちました。
2014年に、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らが、
今後10〜20年で、約47%の仕事が自動化されるとの研究結果を発表したのがきっかけで
そういう話が出回り始めました。
会計、税務、労務(いわゆる士業)もリストに挙げられることもあったので、
「明日は我が身」と危機感を抱いた方も多かったことと思います。
たしかに、例えば会計などの面で言えば、
レシートをスキャンするだけで、勝手に会計処理してくれるようなアプリも
続々と登場しています。
素人でも簡単にできる時代が来るかもしれない。
それはたしかにそうです。
しかし、いくら便利なアプリが出ても、
すべてが数年以内にいきなり全自動化されるということではありません。
例えば、全自動洗濯機が出たとしてどうしても人の手が必要なところもあるのと同じですね。
また、例えば会計や税務、労務、法律のような分野においては、
我々のような素人は『判断の基礎となる知識』(メタ認知能力)が乏しいため、
ミスや重大な欠陥を見落としてしまうこともよくあります。
つまり、「それが正しいのかどうか判断する力が弱い」ということです。
そういう面ではここ数年の間に、いきなり士業の仕事がなくなるということはないでしょう。
ただ、これから確実にI T化が進んでいくという前提で準備をしてきた士業の方と、
旧来のやり方を堅持してきた方では数年後には確実に大きな差がついていることは確かです。
ホワイトカラーの仕事はなくなる
A Iやコンピュータ、ロボットが活躍する世の中になっても
意外と生き残るのは『現場仕事』です。
例えば、工事現場とか、ビルの清掃とか、スーパーの品出しとか、
そういう現場のお仕事は、個別事情が多すぎるため、
なかなかA I・ロボットで対応することはできません。
例えば、ロボットは地面に穴を掘ることはできますが、
掘っていたらパイプにぶち当たった…というような事態が起こると
もうそこでお手上げ、判断できなくなってしまうからです。
また、最近では介護・看護など、人と接する仕事、心を使う仕事のことを
『ピンクカラー』と呼んだりしますが、この仕事もA Iがもっとも苦手とするところなので
生き残るでしょう。(ただし、介護補助ロボットなどはドンドン普及していきます)
A I・ロボットの普及で一番影響を受けるのはホワイトカラーだと言われています。
例えば、伝票整理とか、入力作業とか、
そんなものはコンピュータがやれば一瞬だからです。
ネットでのやりとりや電子決済が当たり前になっていけば、
入力作業自体がほとんどなくなっていきます。
中間管理職のような仕事もほとんど要らなくなります。
例えば、現場仕事で言うと、今は1現場に1人の監督が必要でしょうが、
これからはライブ中継や、クラウドによる進捗管理システムによって、
1人の監督が、遠隔で複数の現場を見ていくようになると言われています。
Uber Eatsの配達員に指示を出しているのはチームマネージャではなく、A Iです。
Uber Eatsで注文が入るとA Iがお店に「これを何個つくれ」と指示して、
配達員に「何時にどこに行け」と指令を出します。人間はそれに従って動くだけです。
こうなってくると今、日本に大量に存在するホワイトカラーの
中間管理職、マネージャー、チーフのような仕事が、ドンドン不要になっていくのです。
パソコンでカタカタ仕事をしているからと言って
「俺はI T化に対応できてるぜ」と思ったら大間違いなのです。