2021.05.15
寺尾会計の税務的な毎日
事業再構築補助金の採択率を上げる方法 第1回 事業再構築補助金とは
株式会社エグボ
代表取締役 珠林直人
そもそも補助金とは
国や自治体の支援策には大きく4種類。
「補助金」「助成金」「給付金」「交付金」があります。
これらに共通しているのは返済義務のない、もらえるお金という点です。
ただし、「補助金」は、事業計画書が必要で、審査があります。
今回のテーマである事業再構築補助金は、補助金の一つです。
ですから、一定の事業計画書が必要です。
「助成金」は、一定の条件を満たした上で申請すれば支給されます。
なお、「給付金」も助成金と同様に一定の条件の上で申請すれば支給されます。
他と違うのは、事業者の他に個人も対象にしています。
最近話題の「特別定額給付金」や「住居確保給付金」があります。
「交付金」は国が自治体に渡すものです。
補助金申請する前に
3月18日に中小企業庁が「事業再構築指針」を発表しました。
この「事業再構築指針」に沿った事業再構築を計画することが
申請にあたっての最低条件となります。
採択されるためにはこの指針に沿ったうえで、合理的で説得力のある事業計画を
※認定経営革新等支援機関と策定することが必要です。
ほとんどの補助金の申請期間は1ヶ月から2ヶ月の短い期間です。
申請の準備だけ考えても、社内の意見調整や事業計画の策定、申請書の作成準備など、
想像以上に手間がかかり、公募が始まってから取り掛かったのでは、間にあわないのが現状です。
次の公募が始まるまでに、できることから準備しておくことをお勧めします。
※ 経営革新等支援機関(認定支援機関)は、
中小企業が安心して経営相談等が受けられるように、
専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、
国が認定する公的な支援機関として位置づけられています。
金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等を認定しています。
どの分野に挑戦するのか
「事業再構築補助金」とは、 中小企業に対する新分野への挑戦を支援する補助金です。
この新分野は全部で5つ。
ここでは4つの分類とプラス1分類と考えます。
①「新分野展開」・・・新製品と新市場に進出する。
②「事業転換」・・・・主な「事業」を転換する。
③「業種転換」・・・・主な「業種」を転換する。
④「業態転換」・・・・製造方法等を転換する。
それと、
⑤「事業再編」・・・・合併や事業譲渡等(M&A)により転換する。
これらの5つの分類のうち、自社が目指すべき方向はどの分類なのか、
じっくり考えた上で、事業計画書に落とし込んでいきます。
事業再編による事業転換
事業再構築補助金について破格の予算以外にも注目すべき点があります。
それは、事業承継補助金と同様、事業再編(M&A)にも対応した補助金ということです。
負のイメージが強かった事業再編(M&A)は、
今では経営資源を次世代に引き継いでいく選択肢の一つとなっています。
国内市場の成熟化や少子高齢化、グローバル化といった構造的な課題に加えて このコロナの直撃です。
成長を目指す企業と後継者不在の企業を結びつけていく。
それが社会全体の生産性に重要な課題というなら、
補助金が充てられるというのも、自然の流れなのかもしれませんね。
※ この記事の内容は、執筆時点(2021年5月10日)の情報を基にしています。
今後、制度内容が変わる可能性があります。
また、今回注目のこの補助金をわかりやすく解説したものです。
あくまで概要を筆者の視点で述べたものになりますので、
詳細は必ず公募要領をご確認ください。
《参考》事業再構築補助金事務所
※公募要領等はこちらからご覧頂けます。
※具体的な補助金に関するご質問は、
以下の「事業再構築補助金事務局コールセンター」へお問い合わせください。
(事業再構築補助金事務局コールセンター)
【ナビダイヤル】 0570-012-088
【IP電話用】 03-4216-4080