2021.06.22
経営者の声
有限会社 カットハウスシンプル 大津谷 直社長
近年、理容室の利用者は減少し、格安カット店や美容室を利用する方が増える傾向にあります。
そんな市場環境の中、豊明市新栄町で昭和50年代から安定して理容業を営まれているお店が
あります。
それが、今回インタビューにお応えくださったカットハウスシンプルさんです。
まずは、シンプルさんが理容業界に入られたきっかけについて伺いました。
理容業はシッカロールもいい香りだし、
お客さんを清潔にする仕事というところに魅力を感じました。
また、
「理容業はいい商売/損しない商売」と就職担当の先生に言われたのも思い出深いですね。
当時はそんなものかと思って就職の話を受け入れましたが、
今思うと、確かに夫婦で商売をして売上総利益率90%という商売はそうそうないと思います。
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私は昔から独立して店を持つのが夢でした。
ところが、早く独立して店を持とうにも、資本力がありませんでした。
銀行にお金を借りようとすれば保証人がいる。
当時は信用保証団体制度がなく、個人に保証人になってもらうしかありませんでした。
保証人を3人たてないといけないところ、修業先の先生が保証人になってくれると言ってくださった。
先生に迷惑をかけるわけにはいかんと、16年間住込みで、一生懸命店に務めました。
残念なことに、先生は私が独立する前に亡くなられてしまいました。
しかし、先生の息子さんが保証人をうけてくれ、実の兄、姉のご主人とあわせて3人に保証人をしてもらえました。
そうして受けることができた融資で、
いいご縁で結ばれたお客さんの建築家さんが現在地(豊明市)に店舗兼住宅を建てくれて独立する事ができたのです。
私は恵まれていたと思います。
シンプルさんは法人化、積極的な設備投資、固有のホームページ作成など、夫婦で経営されている理容師さんとしてはめずらしい形態で事業を展開されているように思います。
シンプルさんはどのような方針で経営されているのでしょうか。
理容の基本である ①刈る ②剃る ③整髪。
理容師としての基本の技術が熟練してくると、お客さんは喜んで通ってくれます。
理容業は8割以上が固定客といわれる所以はここにあります。
そうはいっても、基本スキルだけでは理容業は回らない。プラスαの技術やサービスがなければいけないと考えています。
当店ではブライダルシェービングやエステなどに好評をいただいています。
妻も理容師であるからこそできるメニューかなと思います。
女性理容師が施術してくれるとお客様に喜んでいただけています。
また、最近人気があるのは特許増毛の技術。これは、平成28年に妻と一緒に身につけました。
利用者は女性の方が多く、2週間に1回、毎月、2回に1回など、その方のご希望に応じて施術しています。
プラスαの技術・サービスは挑戦ですよね。
新しいことを始めるときに「そんなことして儲かるの?」と聞かれることがあります。
「継続しないと効果はない。やったらすぐ効果が出るわけではない。やってみなければわからない。」
その気概が必要だと思います。
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事業も、納税も、ずっと真面目にやってきました。
それは「お金をいかにうまく使うか」という考えでやってきたから。
事業にお金を投資すれば、めぐり巡って、お客さんが来てくれる。
「税金を払いたくない。売上や経費をごまかそう」となって手許に残したお金は使えません。
使えば「どこからのお金?」と税務署から疑われ、脱税していることはわかってしまいます。また、銀行に融資を依頼する時にも、数字をごまかしていると「通帳の残高が200万円?売上げもそれだけ?それでは貸せない」と言われてしまいます。
だから、裏工作をしてお金をためてもどうしようもないと考えています。
そういう理由で、脱税には全く興味がありませんが、もちろん節税はしてきました。
世の中には税理士報酬がもったいないと言う人もいるが、私としては「なんで税理士使わないの」と思いますね。自分の考えを安心して話せるきちんとした税理士さんがいるのは助かります。
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税理士法人寺尾会計事務所さんとは、最初の融資を受けた金融機関の紹介からご縁が始まりました。
私は数字が嫌いでないから、日々の売上げを現金出納帳につけるのは負担なくできました。
「うちの若いのより、シンプルさんの方が帳簿をしっかり作成できている」と先代の寺尾先生に褒められたのはうれしかったですね。今もよく覚えています。
帳簿をつけるのが苦でなかったとはいっても、仕訳には難しいところもあったし、残高が10円、20円合わないこともありました。それを担当者が直してくれます。
これまで税理士法人寺尾会計事務所さんと40年付き合ってきた中で、担当者が何回か変わりましたが、若い担当者もみんな、よく教えてくれたし、話しやすい人たちばかりでした。
税理士法人寺尾会計事務所さんは新しいことをやっていく事務所でもあるので、提案についていくだけで時代に遅れることなく帳簿作成や税務申告ができたと感じます。
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税務相談もいろいろしてきましたよ。
慰安旅行費用を福利厚生費に計上したある年には、
「シンプルさんは家族経営なので、その旅行は家族旅行。だから福利厚生費にはできないですね」
そして「その旅行費用の分、来期の給料を上げるのはどうですか。」と提案を受けたこともありました。
最近の話でいうと、コロナ感染症の影響による売上減少に気づいてくれて、持続化給付金の受給について声をかけてくれました。
実は今日もこのインタビュー前に遺言の相談をしていました。
私も70歳になり、相続が気になるようになりました。うちの奥さんには「相続が起きても税理士法人寺尾会計事務所担当者の加藤に言えばやってくれる」と言ってあります。
私はあまり付きあう相手を変えるのは好きではないので、31歳で独立してからこの歳まで税理士も変わらずにきました。振り返ってみれば、税理士法人寺尾会計事務所で正解だったかな、と思います。
私にとって、この仕事は生涯やっていきたい仕事。
妻と2人でポジティブ思考に、健康に気をつけながら もう10年
『お客様に安らぎと安心と信頼感を』というコンセプトの下に
地域の皆さんから慕われるサロンを目指し仕事を続けていきたいですね。
ご協力ありがとうございました。
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