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コラム

2021.06.23

経営支援資料館

中小企業こそ、オンライン営業を!                    第1回 オンラインを通じての営業部員の育成

ライター
吉田典史

小さな会社では、社員の仕事力の凹凸をよく見かけます。
その理由には中途採用が主流であることや、定着率が総じて低いことが挙げられます。

辞めていく人が多いと社員の仕事力の底上げ、育成が難しいために、
優秀な人とそうでない人の差が大きくなりがちです。

今回は、オンラインツールを効果的に使って、
この凹凸を減らす試みに成功した会社の 事例をご紹介します。

他部署のメンバーも参加する
オンライン会議による社員教育

私が2019年秋に取材した飲料水メーカー(社員数60人程)では
オンラインを使って営業部員の社内教育をしています。
この会社では全社員が在宅勤務をしていました。

オンライン会議は週に1回(通常は金曜日の夕方)、1時間半ほど、15~20人が参加して
開かれます。

参加者は営業部長以下、部員が11人。
この他に社長、役員、総務課長、経理課長、
POP広告(居酒屋などの店頭でこの会社の飲料水を宣伝する広告)を作る3人が参加します。

11人の営業担当者のうち数人が、その週のセールストークや顧客の反応、問題点を
1人数分で話します。

その後、社長、役員、総務課長、経理課長、POP広告の担当者が
その報告を受けて気がついたことを1人数分で助言します。

その際、全員の約束として、常に肯定する内容を話すことにしています。
これが守れない場合、次回以降、参加ができなくなります。

オンライン会議を成功させた2つのポイント

取材をしていく中で、
この会社が社員育成のためのオンライン会議に成功した2つのポイントが明らかに なりました。

①参加意欲の高まり

ここまでたくさんの人が参加する営業会議は、創業45年程ではじめてだったようです。
オンラインにすると、興味本位もあり、参加する人が増えたのだそうです。
社長は「ポイントをおさえ、効率よく進むので、参加意欲が高まる」と話していました。

ここが、1つのポイントです。
オンラインの会議の場合、タイマー設定をすることが必要になります。

通常の会議と比べて終わりの時間が厳格となりますから
参加者の意識が高まり、「限られた時間内で結論を出そう」と話を展開させようとするそうです。

すると、会議が効率よく進み、参加意欲が更に高まるという
相乗効果を得ることが できるというわけです。

②他部署のメンバーからの助言
もう1つのポイントは、
各営業担当者は他の部署、例えば、総務や経理、POP広告の担当者からアドバイスを受けること。

営業担当者は、特にPOP担当者の助言には一段と真剣と耳を傾けるようです。
営業部員とは別の立場や視点からの助言が刺激となったり、気づきとなったりするのでしょう。


そうして、
これまで接点があまりなかった総務や経理、POP広告の担当者らと話し合う中で
営業担当者たちの仲がよくなり、職場の雰囲気が以前よりもよくなりつつあるそうです。

社長は、こう話していました。
「これらはオフィスで顔を合わせる会議でもできるが、
オンラインにすると一段と効率よく、楽しくできる」

この事例は、小さな会社だからこそできるオンライン会議と言えるのでは
ないでしょうか。 ぜひ、オンラインツールを使った社内育成を試みてみませんか。

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