2021.11.03
寺尾会計の税務的な毎日
預貯金照会等のオンライン化 開始
10月1日から、国税局・税務署が預貯金照会等のオンライン化が始まりました。
これは今年6月に公表された税務行政のデジタルに関する計画書どおりの実施となりました。
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これまで、税務署その他の行政機関は、税務調査や資産調査等のために
銀行等へ年間 約4,000万件の書面で照会をしていました。 (平成29年現在)
書面により行う照会・回答業務では、 行政機関と金融機関に膨大なコストや処理時間がかかります。
行政機関が照会文書を作成してから回答を得るまで 従来は6日~約1か月半が費やされていました。
しかし、オンライン化の実証実験では、
その照会期間が1~3日程に短縮されるという結果が得られました。
この実験を経て、ゆうちょ銀行を含む43行と全国の税務署等の間で
「pipitLINQ」というサービスを通じた照会回答オンライン化が実施の運びとなりました。
来年の4月までには導入金融機関数を100行にすることも計画されています。
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税務署等の預貯金照会等が容易になることで
事業者にとっては、
「売掛金」「買掛金」の反面調査がより早く簡単に実施されることとなるでしょう。
また、資産課税においては、
申告されていない預貯金口座や家族間の預金の移動などを把握される機会が増えることが考えられます。
従前以上にモレなく帳簿を作成し、申告する必要がある社会に近づいているように思います。
参考HP:国税庁
税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0- p21、p5
https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation/pdf/syouraizo2_r0306.pdf
pipitLINQ 導入機関一覧
https://pipitlinq.jp/customers