愛知県名古屋市緑区|税理士・会計事務所
愛知県名古屋市緑区の税理士|税理士法人寺尾会計事務所

全メニュー

コラム

2022.02.03

経営支援資料館

中小企業における障害者雇用の効果的な進め方のポイント          第5回:障害者が担当する業務を創出する方法

障害者雇用ドットコム
代表 松井優子

第3回で、障害者雇用に失敗しないため5つのステップをご紹介しました。

ステップ1:社内の障害者雇用の方針を決める
ステップ2:自社に合った障害者雇用の理解促進をおこなう
ステップ3:障害者が従事する業務の抽出と切り出しをおこなう
ステップ4:採用活動をおこない、入社前に現場の受け入れ体制を整備する
ステップ5:採用した障害者が職場定着できるフォロー体制をつくる

今回は「ステップ3:障害者が従事する業務の抽出と切り出しをおこなう」についてお話します。

コロナ禍の今だからこそ考えておくべき障害者雇用の業務

今までは「障害者雇用の業務」というと、
バックオフィス業務や清掃、印刷、軽作業などが中心となっていました。
しかし、これらの業務の多くは、コロナ禍によって職場に出勤できない時に、
時短や休業などの影響を受けてしまうことが見られました。

さらに、社会全体で「働き方」が変化する中で、求められる業務も変化しつつあります。

テレワークでも取り組める業務が増えていき、
オンラインに対応したサービスの需要が著しく伸びています。

また、企業ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進み、
既存の価値観や枠組みのイノベーションも見られます。

このような変化を見ていくと、
今まで行われてきた障害者雇用の業務や、
定型的なバックオフィス業務などから業務を創出することと同時に、
「プロフィット」に近い業務を切り出すことを考えることが大切になっています。

特に、営業やマーケティングなどの分野は、
本業のプロフィットに直接関係し、貢献できる業務です。
これらの分野から業務を切り出すことが、企業・組織に求められているといえるでしょう。

障害者に担ってもらう業務のつくり方

それでは、どのように障害者に担ってもらう業務をつくりだすことができるのか、
それぞれのステップごとに見ていきましょう。

1.社内の業務を洗い出す
部門や個人の業務の洗い出しをおこなうには、業務に関するアンケートをとると効果的です。
業務の全体の効率化を考えながら、整理していくことができます。

2.業務を切り出す
業務を切り出すときには、それを担当する障害者のことを考慮する必要はありません。
こちらの判断が介入すると、途中で止まってしまうことがあります。

業務の切り出しの時には、ネガティブな理由を考えずに、
まずは業務の切り出しに注力してください。

3.業務設計を立てる
ある程度業務の切り出しができたところで、業務設計をしていきます。

このときに大切なポイントがいくつかあります。
それは、障害者がひとりで働ける仕組みを作るということです。

ひとりでは仕事が完結できない業務にしてしまうと、
担当者となる社員が確認作業に時間や手間をとられてしまい、
本来の仕事に支障が出る状態になってしまいます。

4.業務分解を検討する
必要に応じて業務分解をすることもできるでしょう。

今までひとりの社員がおこなっていた業務があったとしても、
障害者にこれまでと同じように全てのプロセスを担当させる必要はありません。
能力やスキルに合わせて、ある部分だけを切り出して障害者の業務にすることができます。

障害者雇用の業務を切り出すときにもっておきたい視点

障害者雇用では「障害者がおこなう業務」という視点だけに着目していると、
「この仕事は障害者が行えるものだろうか・・・」と、
障害者雇用を担当する人のそれまでの経験値やイメージで仕事内容を考えてしまうことが多く、
気づかないうちに思考が限定されてしまうことがあります。

そうならないためには、「障害者雇用」単体に注目するのではなく、
「組織全体」を見て業務を考えていくことが大切です。

例えば、社内全体を見ながら、
次のような視点から業務を考えることを検討ができるかもしれません。

  • 今いる従業員が、より活躍できる体制作りができないか
  • 従業員の福利厚生につながるものはないか
  • 従業員が、就業時間以外に行っている業務はないか
  • 人手が欲しい業務はないか(定期でなくスポットでも可)
  • 外注している業務や、派遣社員・アルバイトが行っている業務はないか
  • 社内で残業が多い部署・部門の業務のうち、一部を担うことができないか
  • やらなければならないけれど手がつけられていない業務はないか
  • いまできていない業務でも本当は取り組んだほうがよいものはないか

障害者雇用により本来の仕事がさらに発展していくような業務の切出しをすることが
成功のポイントの一つです。

お問い合わせ

お問い合わせフォームまたは
お電話よりお気軽にご連絡ください。

お問い合わせフォーム

お電話でのお問い合わせ

TEL.052-622-2279