2022.02.23
確定申告よもやま話
医療費控除:年の途中で生計が分かれた場合
確定申告業務にいそしむ中で、
今回は、医療費控除の対象について気になったところをお伝えします。
医療費控除は、所得控除の一つです。
医療費控除は、申告する方及び、そのご家族のうち生計を一にする方が
その年中に支払った医療費の合計額から一定の金額を控除した金額を
その年分の所得から控除する制度です。
医療費控除における「生計を一にする」というのは、
治療を受けた日、又は医療費を支払った日のどちらかにおいて生計を一にしていれば適います。
ですから、年の途中で子どもが別居した、結婚したという理由で生計が別になったとしても
生計が一であった期間の医療費については
親の医療費とその子の医療費を合算して医療費控除を受けることができます。
また、年の途中で親が亡くなった場合にも、
生計が一であった期間の医療費については
親の医療費とその子の医療費を合算して医療費控除を受けることができます。
医療費控除は実際に医療費を支払った方の申告で適用することとなります。
ですから、前年は親の申告で適用して、今年は子の申告で適用することもありえます。
「生計一はどの時点において判定するか」という部分を含め、
所得控除は制度によって細かな違いがあります。
少しでも多くの所得控除を正しく受けるために、
「これは控除できるかな」「適用されるかわからないな」と思われたことは
ぜひ顧問税理士にご相談ください。
参考HP:国税庁 法令解釈通達 第3節 所得控除(73-1) https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/16/01.htm#a-02