2022.02.23
経営支援資料館
中小企業における障害者雇用の効果的な進め方のポイント 第7回:障害者雇用で活用できるリソースとは
障害者雇用の助成金を活用する
障害者雇用を行なうときには、数多くの助成金が準備されています。
障害者雇用納付金制度に基づく助成金は、
企業が障害者を雇用するときや、
雇用の継続が困難であると認められるときに活用できるものです。
設備の整備や、介助者といった必要な人員を配置するために活用することができるので、
一時的な経済的負担が軽減され、障害者の雇用の促進や雇用の継続をはかりやすくなります。
また、障害者を採用するときに活用できる人に関わる助成金もあります。
障害者を採用するときに申請できるものの多くは、金額や期間が長いので、
ぜひ活用していただきたいものです。
例えば、特定求職者雇用開発助成金、障害者トライアル雇用奨励金などがあります。
助成金は、申請する時期が決められていたり、変更などもよくあります。
活用を検討しているときには、早めにハローワークなどに相談してください。
企業ではサポートしきれない課題もある
障害者雇用をはじめると、企業だけでは解決しない問題に直面することがあります。
例えば、職場以外の対応が求められるようなこと、
つまり、生活面や家庭などで気になることがある場合です。
頻繁に遅刻や欠勤があり生活リズムが管理できない、
金銭問題が生じる、生活費の管理ができていない、
家族のトラブルに障害者社員が巻き込まれることなどもあります。
このような生活面や家庭のことについては、
会社だけで解決しようとして、抱え込んだりする必要はありません。
障害者雇用では、障害者雇用に関する相談できる機関や、
障害者の就労支援や訓練をおこなう機関がありますので、
それらの機関と連携して問題解決をすることができます。
障害者雇用で活用できる支援機関
障害者雇用では障害者雇用に関する相談や、
採用で活用できる訓練機関などがたくさんあります。
<障害者雇用について相談ができる機関>
・ハローワーク
障害者雇用に関する全般的な窓口となっています。
必要に応じて地域の障害者機関の紹介、各種助成金の案内もおこないます。
・地域障害者職業センター
障害者職業カウンセラーや配置型ジョブコーチが配置されており、
障害者雇用の専門的な役割を担っている機関です。
・障害者就業・生活支援センター
障害者の就業と生活の両方をサポートする機関です。
企業で働くことに加えて、生活に関わる住まいや、役所への手続き、
家族支援なども含めて、様々な日常生活の支援をおこないます。
<障害者を採用するときに活用できる訓練機関や学校>
・就労移行支援事業所
就職を希望する障害者に、仕事をするうえで必要なスキルや職業訓練、
面接対策などを通して、就職活動のサポートをしている機関です。
・障害者職業能力開発校、国立リハビリテーションセンター
障害者の適性に合った職業訓練や高度職業訓練をおこなうための公共職業能力開発施設です。
全国に19校(国立や13校、都道府県立が6校)が設置されています。
・特別支援学校
障害のある子どもたちの自立や社会参加に向けた
主体的な取組を支援する教育がおこなわれている学校です。
ここまで7回にわたり障害者雇用の進め方のポイントについて考えてきました。
障害者雇用率を達成することは、企業にとって大切なことです。
しかし、障害者の雇用率ばかりに注目してしまうと。
本質を見失ってしまう恐れがあります。
障害者雇用は、「雇用」であり、
単に、社内に居場所を作ればよいというものではありません。
それぞれの組織の中でどのように活躍してもらうのかを考え、
それを実現できる体制を築いていくことが大切です。
そのために必要なことは、障害者雇用の正しいステップを踏むこと、
そして、社内に合った形で推進することです。
ぜひ、それぞれの企業の状況をよく見極め、
組織に受け入れられる障害者雇用を進めてください。
[完]