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コラム

2024.07.23

寺尾会計の税務的な毎日

みなし課税を知って、思わぬ課税を防ぎましょう

『みなし課税』という言葉をご存知でしょうか。

これは、実質的に経済的価値が動いた時に、
あたかも実際に利益を得たときのように課税する制度のことをいいます。

かみ砕いて表現すると
「ちゃんとした理由もないのに、安い価格で取引をしたりすると税金がかかる」という制度です。


まずは、どんな時に一般的な課税がなされるのかをご説明します。

社会にはいろいろな税目がありますが、いずれも経済的価値が動いた時に課税されます。

例えば、法人税所得税は、経済的価値が増加した時に課税されます。
経済的価値が増加した時とは、通常は、利益が出たときです。

消費税は、経済的価値が消費された時に課税されます。
とはいえ、リンゴを食べるたびに課税するわけにはいきませんから
実際にはリンゴを購入した際に課税されています。

相続税贈与税は、経済的価値が無償で移転した時に課税されます。
経済的価値が無償で移転した時とは、平たく言えば、財産をただでもらったときです。

いずれの税目も、経済的価値が動いた時に課税されていることがお分かりになると思います。


次に、どんな時にみなし課税がなされるのかをご説明します。

みなし課税は、実質的に経済的価値が動いた時の課税であるがゆえに
税金が課されると気づかずに取引がなされる傾向があるため注意が必要です。

例えば、Aさんが、Bさんに安く土地を売ったとき。
時価:1000万円、売った価額:300万円、Aさんが土地を買った時の価額:400万円として考えてみましょう。

買主は財産をただで貰ったわけではないので、一見、Bさんに贈与税は課されません。

 

しかし、
買主(B)は、本来、1000万円の価値がある土地を300万円の対価で受取ったわけですから
700万円分の経済的価値が、売主(A)から買主(B)へ動いたことになります。

ですから、この場合、利益も贈与も生じていませんが、経済的価値は動いています。

よって、この700万円について『みなし課税』の対象となり、
この700万円はBさんの贈与税の課税対象となります。


低額で売買した場合のほかにも、みなし課税が行われる場面はあります。
細かい規定や裁決・判例もたくさんありますので、十分な検討が必要です。

また、みなし課税では、合理的な取引なのか、時価とはいくらなのか、売値は安すぎると言えるのかなど、諸々の検討事項がつきものですから、なかなか簡単に判断することはできません。

まずは「その取引は等価交換か」「誰かが得することになっていないか」という視点をお持ちいただき
ひょっとしてと思われた際には、事前に税理士へ相談をしていただくことで、
思わぬ課税を避けることができるのではないかと考えます。

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