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コラム

2024.11.23

寺尾会計の税務的な毎日

区政協力委員の費用弁償は確定申告がいりますか【所得税】

名古屋市では町の区域ごとに区政協力委員が職務を行っています。
この「区政協力委員」について耳にされたことはあるでしょうか。

これは、住民の市区政への関心を深め、市区政への積極的参加を期するため
地域と市区行政のパイプ役として地域住民の方に委嘱されます。

区政協力委員は、災害対策委員も兼務することとなります。
区政協力委員・災害対策委員はともに、非常勤特別職の地方公務員として2年間活動します。

活動期間中、年に2回、費用弁償として決められた金額が支給されます。

そうなると、この費用弁償は所得税の課税対象となるかどうかが気になるところです。


国税庁が税務署等にむけて指図した取扱いである所得税基本通達において
「年額又は月額により支給される金品は、旅費等、職務のために要したと明らかなもの以外は給与とする」
地方自治法の規定による費用の弁償は、旅費等、職務のために要したと明らかなもの以外は給与とする
という旨の記載があります。

ですから、これらの委員をしている方が実際に費用を負担していない場合には
費用弁償の金額は給与として所得税が課税されるものと考えられます。

ただし、次の理由により、この費用弁償のために確定申告が必要となることは多くありません。
・給与所得には最低55万円の控除額が認められていること
・給与所得がある方は、給与・退職所得以外の所得金額が20万円以下であれば確定申告が不要であること
・公的年金の収入が400万円以下の方で、年金以外の所得金額が20万円以下であれば確定申告が不要であること

費用弁償以外にも給与所得がある方で、他に所得があったり医療費控除を受けたりするために
確定申告をされる方は、費用弁償に係る収入を給与収入として加算し忘れないように気をつけましょう。


なお、「消防団員の処遇等に関する検討会」における検討の結果、
地域の非常勤の消防団員の方に支払われる金銭については、
令和4年4月1日以降、一定の金額までは課税されないことが同通達に明記されています。

核家族化、高齢化、地域のつながりの希薄化が進行する社会の中で、
町内会や区政協力委員、消防団員など、地域のために活躍してくださる方に対して
せめて税制がやさしくあってほしいものです。

参考HP:
名古屋市 名古屋市区政協力委員について
https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/52-21-0-0-0-0-0-0-0-0.html

名古屋市 災害対策委員の役割
https://www.city.nagoya.jp/bosaikikikanri/cmsfiles/contents/0000115/115022/01yakuwari.pdf

所得税基本通達28-3 年額又は月額により支給される旅費
所得税基本通達28-8 地方自治法の規定による費用の弁償
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/04/03.htm

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