2025.03.13
確定申告よもやま話
還付はいいこと?悪いこと?
今年もまもなく確定申告期限となります。当事務所もようやく完了の目途が立ちました。
ご足労をいただいたり、資料を郵送でやり取りしていただいたり、誠にありがとうございます。
さて、令和6年分の確定申告では、定額減税の影響もあって
普段は納税をしている方が今年は還付申告になったケースも少なくありませんでした。
「税金が返ってくる」と聞くと、何となく得をしたような気持ちもしますが、
ご自身にとって本当にいいことなのか、問題があることなのかは、その理由によって異なります。
還付になる理由には次のようなものがあります。
①定額減税や住宅ローン控除のように、税制により納税額が引き下げられたため
②源泉徴収されていた税額が実際の税額より多額だったため
③扶養控除や障害者控除等の所得控除が受けられることとなったため
④医療費や雑損失が多額だったため
⑤収入が減少したため、経費が増加したため
この中で、税金の還付以上に実際の金銭が手元からなくなっているのは④と⑤です。
④医療費控除や雑損控除により税金が還付されたとしても、
その還付額は実際に支払った金額の半分以下です。
必要があって医療費を支払う場合の補填や、災害等で家財が失われてしまった場合の補填としては
ありがたい制度であるといえますが、キャッシュフローの観点からは「得をした」とはいえません。
健康に安全に暮らして、納めるべき税金は納める方が節約になります。
また、将来の投資のため、計画的・一時的に所得が減少しただけのケースもあるでしょうが
⑤収入の減少や経費の増加により税金が還付された場合も、手放しに喜ぶことはできないでしょう。
何事も、結果だけに一喜一憂せず、その結果となった原因を理解することが大切と
確定申告も教えてくれているようです。