2013.11.13
寺尾会計の税務的な毎日
消費税改正と転嫁問題、その対応
今年も「税を考える週間」がやってまいりました。
「税を考える週間」は、毎年11月11日~17日の一週間で、
国民が租税の意義、役割や税務行政の現状をより深く理解し
自発的かつ適正に納税義務を履行するための広報週間です。
今年、最も気になる税金といえば、消費税ではないでしょうか。
特に、中小企業の経営者のみなさんは、
消費税が価格に転嫁できるか、
不安に思われていませんか?
消費税が増税になり、販売価格に上乗せされれば、
消費の落ち込みが予測される。
そこで、最終販売者は消費税還元セールなどで、
増税分を販売価格に上乗せしないことにし、
仕入業者にも自社に消費税分を上乗せしないように強制する。
その結果、仕入業者が消費税を負担することになる。
これが消費税の転嫁問題です。
日本商工会議所の調査によると、
実際に、消費税率が3%から5%に変更になった際、
売上高1000万~1500万円の中小企業の7割近くが
税のすべては転嫁できなかったそうです。
ただでさえ厳しい現状で、消費税を価格に転嫁できなければ、
中小企業の生命にもかかわります。
そこで、政府は、価格転嫁対策法を施行しました。
大企業等の転嫁拒否等の行為・転嫁阻害表示の是正、
中小企業等の転嫁カルテル等の許容などがその内容です。
対策が講じられたとはいえ、
売上の多くを占める会社に転嫁拒否をされれば、
断ったり、相談センターに報告したりできないということにもなりかねません。
同じ会社に売り上げる会社・同一業界の会社同士で連絡を密にし
販売最低価格を定める転嫁カルテルを形成するなどして対応したいものです。
私どもも皆様の会計をご支援し、
また、多くの企業の会計を俯瞰できる立場として、
消費税の不正転嫁がされないよう目を光らせていこうと思います。
気になることがあれば、いつでもご相談ください。
参考HP: 国税庁 消費税法改正等のお知らせ
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/201310.pdf
財務省ほか 消費税の円滑かつ適正な転嫁のために
http://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/tenka_pamphlet.pdf
日本商工会議所 消費税の転嫁対策特別措置法 5つのポイント
http://www.jcci.or.jp/chusho/mihiraki.pdf