2020.09.03
経営支援資料館
地方の中小企業を元気にするアドバイザーの挑戦⑤ ~料理教室の顧客との関係性を構築して売上アップをめざせ~
直鞍ビジネス支援センター
センター長 岡田高幸
皆さんこんにちは。直鞍(ちょくあん)ビジネス支援センターの岡田高幸です。
先日、スーツを1着オーダーしました。オーダーといっても財布にやさしい価格で、
福岡の天神地下街にあるショップです。
今度予定されている講演用に派手目の柄を選びました。ご担当の方は研修中で、
まもなく熊本の店舗に戻られるそうです。
オーダーする際、いろいろと話が弾みましたので
次回は熊本の店舗でオーダーすることをお約束して別れました。
さて、前回に続き、ご支援事例の紹介です。
●料理教室の主催者のお悩み
料理教室を主催されている女性お二人が
「これまで順調に講座を続けているが、もっと商売を拡げる可能性があるのではないか」
と問題意識を持ってご相談にいらっしゃいました。
詳しくお話しを伺うと、講座に参加された方の満足度は高く、
何度も参加してくださるコアなファンもいらっしゃるそうです。
●私からのアドバイス
ご提案したのは「カスタマージャーニーを意識した講座の企画」です。
カスタマージャーニーとは、
顧客が購入にいたるまでの行動や心理におけるプロセスのことです。
お二人は、コアなファンをお持ちでありながら顧客名簿をきちんと整備されておらず、
人数やそれぞれのお客さまの特性を精緻に把握できていないご様子でした。
また、開催している各講座の内容にも偏りがあり、
ビギナー向けの講座は充実しているものの、
長く通われている方、つまりコアなファン向けの講座の提供ができていないようでした。
そこで、お二人の持つ顧客リストを見直してもらい、
特に何度も通っている常連さんに喜んでもらえる講座を企画していただきました。
そして内容を充実させた分、思い切って単価を上げてみることをご提案しました。
その結果、紅葉が美しいお寺を舞台にし、食事内容にもこだわった料理教室は
すぐに定員が埋まり大盛況でした。
また単価を3,000円アップしていたにもかかわらず、顧客には大変満足していただいた
そうです。
お二人からは「的確な助言をもらい講座内容の充実を図り、料理教室の新たな企画へと
発展しました。成果を実感しています」とうれしいコメントをいただきました。
●ここがポイント!
顧客との関係性を構築する大前提は、顧客名簿の取得と分析です。
たとえばポイントカードは手軽に準備できるアイテムですが、
単なる値引きで終わらせてしまっていないでしょうか。
ポイントカードの目的は値引きして喜んでもらうことだけではなく、
取得した顧客情報を元にした関係性の構築です。
その後のニュースレターの発信や、体験型イベントへのご招待などに活用して
はじめて顧客情報が生きてくるのです。
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