2021.01.05
経営支援資料館
「思わず買わせてしまう顧客心理学」のIT活用術 第3回 カリギュラ効果 禁止されればされるほどやってみたくなる心理を活用
リフォーカス株式会社
片桐かほり
1.カリギュラ効果とは
「やってはいけません」と禁止されるほどやってみたくなりませんか?
こういう心理現象のことを「カリギュラ効果」といいます。
昔話から例をあげると、
●鶴の恩返し
「私が機を織っているときは、決して覗かないでください」と言われていたのに
覗いてしまった老夫妻。結局鶴は老夫婦から去ってしまったという結末を迎える。
●イザナギ・イザナミの話
黄泉の世界にいってしまったイザナミを迎えにいったイザナギ。
「黄泉の世界からこの世に戻る準備をします。その途中けっして私を見ないでください」
と言われていたのに振り返ってしまい恐ろしい形相のイザナミに追いかけられる。
●浦島太郎
竜宮城で素晴らしいもてなしを受けた浦島太郎。
竜宮城の乙姫様から「けっして開けてはならない、という玉手箱」をプレゼントされたが
陸にあがってから箱を空けてしまった。すると太郎は白髪の老人の姿になってしまった。
「〇〇をやってはいけない」という禁忌事項があると、ついやってしまう
という心理現象は、私たちが知っている昔話などには時々題材にされています。
人間は、「自分で決めて自由に行動したい」という欲求があるにもかかわらず、
やってはいけないと制限されるとストレスを感じます。そのストレスを解消するために
禁忌事項をあえて破ってしまうという行動に出てしまうことがあるのです。
2.カリギュラ効果のビジネス活用例
この心理は、ビジネスの場でも注目度を上げるためや閲覧数をあげるために
ポピュラーに活用されています。
●「閲覧注意!」
これまで定石とされていた方法とは逸脱した驚きや斬新性がある内容、
あるいは衝撃的な内容を含む場合に使われる言葉です。
最近はYoutubeのサムネイルで「閲覧注意!」と記載されているのを見かけることが多くなりました。
このように記載されていると、逆に内容が気になってクリックしてみたい衝動にかられませんか。
そこが狙いです!
似たようなコンテンツでせめぎ合いを繰り広げるYoutubeの世界では、
どれだけ多くの人に動画をクリックしていただき周知できるかが勝負所です。
そのきっかけとなるのが他人よりも注目される「言葉」です。
●「本気の方のみお申込みください!」
この言葉の裏を返せば、「本気の方以外は申し込まないでください!」という意味です。
もちろんそれでも悪くはないのですが、
カリギュラ効果の注意点としては、あまりに強いイメージ、過度に衝撃的なイメージになると
嫌悪感をもたれる場合もあります。
この点を考えると「本気の方のみお申込みください!」のほうがリスクはないかと思います。
私自身もこの言葉は勉強会やセミナーの開催時によく使用しており、
やはり満席になる速度が速いことを実感しています。
言葉の使い方次第で、ビジネス上のターゲットとする人が起こす行動が変わってきます。
・サービス内容を知ってほしい。
・コンテンツに興味をもってほしい。
・イベントやセミナーの案内を見てほしい。
Web上やチラシなど広告において、こうした特定の行動を促す場合には、
カリギュラ効果を使ってみられてはいかがでしょうか。