2021.05.15
経営支援資料館
事業再構築補助金の採択率を上げる方法 第5回 申請にあたっての注意点
株式会社エグボ
代表取締役 珠林直人
焦る必要はない
2次以降の公募よりも初回の方が、採択率が高いとはよく聞きます。
そのためかどうかわかりませんが、
競うように我先にと申請を急ぐ事業者さんがいらっしゃいます。
しかし、焦って申請なんかすると、ろくなことがありません。
計画途中で方向性がブレたり、申請後に「やっぱり」と後悔したり、
採択された後の事業の断念はその後の信用にも関わりますので注意が必要です。
「事業再構築補助金」は赤字補填というネガティブ視点ではなく、
未知の領域に挑戦する中小企業を支援するポジティブな補助金です。
しかし、挑戦的であるがゆえにこの補助金はリスキーでもあるのです。
じっくり自社の将来の方向性や次世代の意見も取り入れながら考えていきたいものです。
専門家に丸投げは危険
認定経営革新等支援機関とはあまり聞きなれない名前ですが、
中小企業の支援機関として経済産業大臣が認定した機関です。
主に金融機関、支援団体、税理士や中小企業診断士が認定を受けている専門家です。
しかし、彼らは専門家と言っても、その専門とするところは、
補助金を申請しようとする事業者さんの事業分野ではありません。
彼らが専門とするのは、事業計画書作成のアドバイスです。
社長の頭の中を整理して、綺麗に言語化し、有識者のロジックに分解。
そして計画書に落とし込み、管理するのが専門家の仕事です。
どのような事業を、どのように、誰に対して、またその事業をなぜするのか。
それを決めるのは専門家ではありません。
その分野の専門家であり、申請者である社長自身が決めるのです。
経費支出後の支払いに注意
補助金(概算払い制度を除いて)は、
基本的に事業者の支出を確認した後の支払いになります。
つまり、補助金を受ける前の段階で経費の支出が前提となります。
支払った領収書や支払い明細書等は、 事業終了後にそれらの証明書として
提出する義務がありますので無くさず保管しておきましょう。
また、申し込みから補助金を受け取るまでに1年ほどの期間がかかるため、
資金繰り計画も考慮しておく必要があります。
5年間の年次報告に注意
補助事業終了後も5年間の年次報告が必要です。
補助金で購入した設備等は補助金交付要綱に沿って、
厳格に管理されるところも補助金申請の大きなハードルとなるでしょう。