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コラム

2022.10.03

寺尾会計の税務的な毎日

為替差益にまつわる法人税&所得税

今年世間をにぎわせているニュースの一つが外国為替です。

今年の初めには1ドル115円程であったところ
この9月には1ドル145円台を付けました。

今年の初めに100万円分の米ドルを購入していた場合、
この9月には約126万円となったという計算になります。

この為替差益26万円は所得となり、税金が課されます。

法人の場合、
実際に外貨を売却して円貨を取得した際や、外貨建で取引を行った際に
為替差益を認識し、法人税が課されます。

また、期末に保有している外貨や外貨建資産についても為替差益が認識されますので、
円換算した外貨等の価額と、貸借対照表に記載されている取得価額との差額についても法人税が課されます。

そして、翌事業年度に洗替え処理をして、貸借対照表に記載されている価額を取得価額に戻します。

法人については、実際のキャッシュインがないにもかかわらず法人税額が生じることになるので
期末に外貨建資産を多く保有している場合は、資金繰りに注意が必要です。

個人の場合、
実際に外貨を売却して円貨を取得した際や、外貨で商品等を購入した際に
外貨を購入したときの取得価額との差額(為替差益)について所得税が課されます。

原則として、外貨を売却した翌年の2月16日から3月15日までに
所得税の確定申告が必要となります。

なお、為替差益・為替差損は雑所得となります。
ですから、副業など、他の雑所得となる所得にマイナスが生じている場合には
為替差益と内部通算することができます。

また、有価証券の売買に伴う為替差益は株式譲渡益に含まれるため、分離課税となります。
配当金等の受取りに伴う為替差益は配当所得に含まれます。

個人については、この為替差益に所得税が課されることを知らないと
意図せず無申告(脱税)となってしまうこともあるため、注意が必要です。

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