2022.11.13
寺尾会計の税務的な毎日
税を考える週間:持続可能な受給と負担
毎年11月11日から17日のこの1週間は 『税を考える週間』です。
これは、税の仕組みや目的等、国の基本となる税と税務行政について、
国民各層がより能動的に、また、一層深く理解してもらうことを目指して、
国税庁が行っている広報・広聴週間です。
国税庁のHPにも、特設ページが設けられています。
https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/week/index.htm
このメルマガでも毎年、税の豆知識を紹介しております。
いわずもがな、税は公共サービス提供の資金源です。
納税をするからには、その税がどのように活かされているか気になるところです。
そこで、今年は「税の使われ方/歳出」のうち、
教育費についてクイズをしてみたいと思います。
さて、小学校、中学校、高校とすべて公立学校へ通った場合、
小学校入学から高校卒業までの教育費の公費負担の合計額は子ども1人当たりいくらでしょう。
① 800万円
②1200万円
③1500万円
④2100万円
↓
↓
答えは②1200万円です。
1年間で約100万円が公費で負担されていることがわかります。
教育費は「文教関係費」の一つで、令和4年度の文教関係費の予算は約4兆円です。
「文教関係費」には、例えば、次のようなものが含まれます。
- 教科書の無償配付
- 学習指導員、日本語指導員、スクールカウンセラー、医療的ケア看護職員等の配置
- デジタル教科書の普及促進
- 全国的な学力調査の実施
- 公立学校の校舎改築などのための費用
- 高校等の就学支援金、奨学給付金
- 国立大学法人・私立学校の助成
なお、歳出の中で最も大きい割合を占める支出は「社会保障関連費」で、
令和4年度の社会保障関連費の予算は約36兆円です。
ちなみに、こちらも1人当たりの金額は約100万円です。
今年の税を考える週間のテーマは「これからの社会に向かって」です。
その説明資料の中で社会保障関係費は課題の一つとして取りあげられています。
国税庁 令和4年度「税を考える週間」講演会・説明会資料
https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/week/slide_simple/slide.htm
「5.これからの社会と税②」(9ページ目)の
「ライフサイクルでみた給付と負担のイメージ」は視覚的に年齢別給付のイメージがわかり
インパクトがある資料となっています。
『持続可能な社会保障制度とするためには、どのような受益と負担のバランスをとっていくべきか、
国民一人ひとりがしっかりと考えていく必要があります。』と、この資料は締められています。
この4月から年金額が原則0.4%引き下げられました。
この10月から一部の方の後期高齢者医療保険の負担が2割に引き上げられました。
今後も社会保障費の公費負担を減少させるための施策が打ち出されるものと考えられます。
そういった方向に流れるこれからの社会おいて、自分自身の将来をどのように築いていくか
また、将来のためにどのように今を生きるか、支えられるのではなく日本を担っていく側に立てるか。
そういったことを改めて考えさせられるように思います。
財務省 これからの日本のために 財政を考える
https://www.mof.go.jp/zaisei/index.htm
厚生労働省 社会保障給付費の推移
https://www.mhlw.go.jp/content/000973207.pdf