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コラム

2024.06.13

確定申告よもやま話

令和5年分 確定申告状況を読む

国税庁より、令和5年分の確定申告状況が公表されました。

確定申告は前年分の所得等を把握する機会であり、前年分の経済動向や政策効果の確認に役立ちます。
また、自己の事業等と経済動向を比較することで自己の立ち位置を把握することができます。

周囲と比べて一喜一憂する必要はありませんが、
自社に何が起きているのか?現在はどのような状態なのかを理解するためにこうした過去の情報も確認して、増益時に浪費したり驕(おご)ったりすることないように自戒し、今、何か改善できることはないか探っていきたいものです。


所得税及び復興特別所得税の申告状況は次のとおりです。(左:全国、右:名古屋国税局管内)

確定申告書の申告人員: 2300万人(前年比+ 1.3%)  270万人(前年比+ 1.1%)
申告納税額がある方 :  670万人(前年比+ 2.3%)   82万人(前年比+ 4.3%)
還付申告の方    : 1350万人(前年比+ 1.3%)  150万人(前年比+ 1.4%)
申告納税額     :4兆500億円(前年比+10.0%) 4300億円(前年比+ 5.2%)

10年前の平成26年分から比較すると、確定申告をしている方は1割ほど増加しています。
また、全国データでみると、申告納税額は5割弱増加(2.7兆円→4.0兆円)しています。
還付申告の方も増えていますので、実際の税収はわかりませんが、そちらも増えているものと予想されます。


個人事業者の消費税の申告状況は次のとおりです。(左:全国、右:名古屋国税局管内)

申告件数      : 200万件(前年比+86.9%)  24万件(前年比+85.6%)
申告納税額     : 6850億円(前年比+ 9.1%) 855億円(前年比+ 8.5%)

個人事業者の消費税の申告件数は約2倍に増加しました。
これは、インボイス制度の開始によるものです。

令和5年中にインボイス発行事業者となった方は190万人で、
そのうち免税事業者からインボイス発行事業者となったのは100万人でした。
消費税の益税問題が改善されつつあることが推測されます。


贈与税の申告状況は次のとおりです。(左:全国、右:名古屋国税局管内)

確定申告書の申告人員:  51万人(前年比+ 2.6%)   7万人(前年比+ 2.6%)
申告納税額がある方 :   37万人(前年比△ 0.9%)   5万人(前年比△ 1.1%)
申告納税額     : 3550億円(前年比+10.9%)  450億円(前年比+29.8%)

申告納税額がある方が微減する一方で、申告納税額は1割ほど増加しました。
これは、令和6年分の贈与から相続税申告における7年前贈与加算の対象となることと
マンションの相続税評価の変更を前にした駆け込み贈与が増えたためと予想されます。

なお、名古屋国税局管内の申告納税額の前年比が全国値として比較して3倍ほどになっています。
これは三重県での暦年課税による申告納税額が60億円増えたためですが、
なぜ三重県で申告納税額が膨らんだのかについては情報がありません。

また、住宅取得等資金の非課税の申告状況は全国、名古屋国税局管内ともに前年比30%超となりました。
令和4年は前年比△50%ほどでしたので、令和5年に入り住宅建築が再開され始めた様子がうかがわれます。

参考HP
国税庁 令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0024005-100.pdf

名古屋国税局 令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/release/r05/kakutei_jokyo/kakutei_jokyo.pdf

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