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コラム

2024.08.23

家督相続 〜円満な相続のために〜

今年から贈与税の基礎控除は220万円!?

令和6年から施行されている大きな税制改正のひとつが、相続時精算課税の基礎控除額の創設です。

今回は、贈与者が2人以上ある場合の基礎控除額について考えてみたいと思います。


まず、贈与税の課税方式について、前提を確認しましょう。

贈与税の課税方式には次の2つがあります。

①暦年課税
 贈与税は基本的には暦年課税により計算されます。

 暦年課税の場合、贈与財産の価額から基礎控除額(110万円)が控除されます。

②相続時精算課税制度(以下、精算課税という)
  「父母・祖父母からの贈与については精算課税を適用する」と選択をした場合にのみ精算課税が適用されます。
  
 今年の1月1日以降に贈与した財産に係る贈与税については
 精算課税を適用する場合にも、贈与財産の価額から基礎控除額(110万円)が控除されます。

 (精算課税には別途「特別控除(2500万円)」があります。名称が似ているので注意が必要です)



 【事例】同じ年に父と母から200万円ずつ、計400万円もらった。
 【検討】課税方式の組み合わせにより、基礎控除額はいくらになるか。


<ケース1>
 父からの贈与:暦年課税
 母からの贈与:暦年課税

 基礎控除額は110万円です。

 父母からの贈与を合わせた金額に係る基礎控除額は110万円

 暦年課税に係る基礎控除額は、贈与を受けた人ごとに1年間で110万円です。


<ケース2>
 父からの贈与:相続時精算課税
 母からの贈与:相続時精算課税

 基礎控除額は110万円です。

 父からの贈与に係る基礎控除額は55万円
 母からの贈与に係る基礎控除額は55万円

 精算課税に係る基礎控除額は、贈与を受けた人ごとに1年間で110万円です。


<ケース3>
 父からの贈与:暦年課税
 母からの贈与:相続時精算課税

 基礎控除額は220万円です。

 父からの贈与に係る基礎控除額は110万円
 母からの贈与に係る基礎控除額は110万円

 暦年課税に係る基礎控除額と精算課税に係る基礎控除額は競合せず、独立しています。
  (相続税法21条の10)

 

 つまり、令和6年以降において暦年贈与と精算課税と両方の制度による贈与を受けた場合には
 年間で220万円を贈与税の負担なく受け取ることができます 。


税制は毎年改正されるため、ご自身に適した選択を行うためには最新の情報が欠かせません。
悩まれた際には、お1人で抱え込まず、ぜひ税理士へご相談ください。

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