デフレ脱却!破壊的アイデアにより付加価値を生む!
発明プロデュース協会
代表 木村勝己
消費行動の変化を捉える!感性マーケティングの視点
大量生産、大量消費の時代から、市場は成熟してモノ余りの時代、
そして多様性の時代になっています。
消費者の欲求の変化、経済の変化に柔軟に対応できない企業は衰退することに。
従来のマスマーケティングの手法からの意識改革が必要です。
そこにはモノそのものでなく、
新しいライフスタイルを提供するという視点が求められます。
消費者の感性を刺激する商品開発と販売戦略が必要なのです。
寿司バーにみた感性マーケティングの視点
東京の品川に新しいタイプの寿司バーがオープンしました。
内装もニューヨーク寿司バーのようなモダンなスタイルです。
それもスタンディングバー方式。
アルコールも、ビールや日本酒だけでなく、
ワインやシャンパンといったものが提供されます。
ここの最大の特徴は、注文用のネタの書かれたコイン。
女性は、大声で注文し、さらに注文のネタの内容が周りに知れるのは恥ずかしい。
そこで、好きなネタのコインを前のカウンターに出す。
それを見て、職人さんが握ってくれるのです。
このコインにはICチップが内蔵されています。
受け皿に集まったコインをハンディリーダーで読み取り、
すぐに合計金額が出せるのです。
モノ不足の時代は、問題の解決つまり不の解消商品が求められました。
しかし今やモノ余りの時代。人間の欲求も高次なレベルに来ています。
自己実現への欲求を満たす個性化品や、
心理的な心地よさを提供する取り組みが重要なのです。
ここには感性に訴えるマーケティングの考え方が求められます。
人間の五感に心理的な心地よさを与える取り組みです。
ネタ別コインは女性の注文時の恥ずかしさへの心理的壁を、
付加価値をつけて取り除いたといえるのです。
人間の欲求構造から消費行動の変化を読む
米国の心理学者マズローによる「人間の欲求5段階説」というのがあります。
人間の欲求は5段階あり、
低次元の欲求が満たされると次に上位の欲求段階に進むというものです。
低いほうから順番に「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」
「自我の欲求」「自己実現の欲求」と上がっていきます。
これを消費構造に対応させると、図5になります。
【図5】
各欲求段階に応じて求められる商品の形態も変化してきます。
第1段階、第2段階では生活必需品が求められ、
第3段階、第4段階では生活向上品が求められます。
成熟社会になると、
消費者の欲求が高次の欲求である「自己実現の欲求」に進むことになり、
個性化品や自分を磨いてくれものが求められます。
その代表が、エステサロンやフィットネスやマナー教室といったものです。
ここで視点を変えると見えてくるものがあります。
それはこれらのサービスを受けるには時間が必要だということです。
インターネットの出現で私達の時間が削られていく中、
消費者の時間はますます不足してきます。
そして時間節約型商品が求められるようになります。
この変化は新しいビジネスチャンスでもあるのです。
次回は、時間節約型商品について紹介したいと思います。
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