デフレ脱却!破壊的アイデアにより付加価値を生む!

発明プロデュース協会
代表 木村勝己

斜陽産業からの脱却!戦う土俵を変える戦略

斜陽産業からの顧客価値創造で大成功

東京の原宿に代々木オリンピック公園があり、

数年前、そこに大きなテントが張られました。

今人気のサーカスであるドラリオンの講演が行われたのです。

カナダで生まれたシルク・ドゥ・ソレイユの日本公演でもあります。

斜陽産業のサーカスでしたが、

新しいビジネス形態と戦略により人気を博し再公演が続けられました。

 

【図7】代々木オリンピック公園に建設中のテント

 

そして2008年10月1日には「シルク・ドゥ・ソレイユ・シアター東京」が、

東京ディズニーリゾートにグランドオープンしました。

 

その誕生は1984年、

カナダ・ケベック州の20名のストリートパフォーマーからでした。

サーカスと大道演芸をドラマチックに融合した、

全く新しいコンセプトによるその特徴は、

動物を一切使わず、幻想的な照明、

オリジナル音楽をフィーチャーした円形の舞台を用いた演出や、

人間の限界に挑戦したパフォーマンス、感動を与える芸術性といったものです。

 

従来のサーカスのイメージとは大きく異なり、

料金もミュージカルと同様な設定になっています。

従来のサーカスの価値を見直し、高付加価値を持つ新市場を創造していくことで、

従来の企業戦略ではトレードオフの関係にあった、

価値とコストの両立を成し遂げています。

 

シルク・ドゥ・ソレイユはまさに、従来のサーカスとは違った価値曲線を、

戦略キャンバス(図8参照)に描くことにより生まれた成果であり、

21世紀の企業戦略において大きなブレークスルーを与えてくれるものです。

 

【図8】戦略キャンバス

 

図の説明:横軸はサーカスのもつ要素を分解したものであり、

縦軸は各要素の提供レベルです。

従来のサーカス(リングリングブラザーズが代表的)が、

花形パフォーマーや動物ショーといった要素が高いのに対して、

シルク・ドゥ・ソレイユは、競合しない要素に新しい価値を描いています。

 

今後、サービス商品の比重が大きくなると、

サービスを超えたホスピタリティの概念が重要になってきます。

顧客に感動を与えリピーターを呼ぶ、

マニュアル通りではない1対1の顧客対応が要求されます。

これもまた別の価値曲線を描くものですが、

これを現場で実現する人材への期待は今後益々大きくなるといえます。

消費者目線の土俵を変えた戦略で高収益

東京・銀座にある西武有楽町店が2010年12月に閉店しました。

苦しい状態が続いていた百貨店業界でありましたが、

リーマンショックはそれに追い討ちをかけた感じです。

 

デパ地下といわれるように、

多くの百貨店は地下の食品売り場の充実に力を入れてきました。

しかし有楽町店はファッションに特化した部分、

早めにデフレの波が押し寄せたようです。

 

このような中、戦う土俵を変える戦略で高収益をあげている食品スーパーがあります。

埼玉県に地盤を置く、ヤオコーです。

17期連続で増収増益を続けているというから凄いです。

社員の知恵と工夫を生かした食品生活提案で、お客様に付加価値を生む、

値下げをしない戦略が功を奏しています。

 

「クッキングサポート」がその一つです。

パートナー社員が料理の提案をするコーナーで、手作りのレシピも用意するのです。

お客様価値への焦点をどう当てるかが重要です。

モノに当てると価格競争になりますが、そのモノがもたらす価値に焦点を当てると、

お客様に驚きと感動を与え、リピーターを生む戦略が見えてきます。

モノがもたらす新しいライフスタイルの提案があり、

戦う土俵を変える戦略が生まれるのです。

 

今回で全6回の最終回になってしまいました。

この中から少しでも気づきが得られ、

今後の事業展開の参考にして頂けましたら幸いです。

今迄お付き合い頂きありがとうございました。

最後に、読者の皆様の益々の発展をお祈り申し上げます。

[完]

 

分類一覧

メールマガジン登録

弥生会計支援室 名古屋

金融円滑化法,経営改善計画,経営計画,

相続でお困りの方


ページの先頭へ