A4用紙2枚から始める【事業計画書作成講座】
経営コンサルタント
平野貴之
第1回 事業計画書は作成したほうが良いですか?
経営者の方から良く相談を受けるのは、
「事業計画書を作成したほうが良いですか?」という質問です。
結論から言うと、「事業計画書は作成したほうが良い」です。
それどころか、「作成しないといけない」と言っても良いほどです。
なぜ、作成されないのか?
では、なぜ、作成されない企業も多いのでしょうか?
これは、前回もお話しましたが、
決算書のように、法律で作成が義務付けられていたり、
簿記のようなルールが決まっていたりしないからです。
つまり、「自由」だからです。
「強制されていなく自由」なので、作らない場合も多いのです。
「作成するメリット」と「作成しないデメリット」
では、「作成するメリット」および「作成しないデメリット」はないのでしょうか?
「作成するメリット」としては、
- 銀行の資金調達がしやすくなる
- 経営者自身の想い、頭の中をまとめることが出来る(経営理念、経営戦略など)
- 従業員に経営者の想いや戦略(方針)を伝えやすくなる
- 上記3,4を含めて売上や利益が上がりやすくなる
- 資金繰り表が作成出来るようになり、資金の見通しがつくようになる
「作成しないデメリット」としては、上記の【全く逆】になるので、
- 銀行の資金調達が厳しくなる
- 経営者の想いなどがまとまりにくい
- 従業員に経営者の方針が伝わりにくくなる
- 売上や利益が上がりにくくなる
- 資金繰り表が作成できない(資金の見通しが付かない)
事業計画書を作成したほうが良い理由とは?
このように考えると、「事業計画書を作成したほうが良い」と気付きやすいです。
メリットだけ見ると、「なんとなく、作成したほう良いかな~」というくらいでしか
考えられないのですが、逆のデメリットまで考えてみると、
「事業計画を作成していないと、資金調達できず、売上、利益も上がらず、
資金の過不足も把握できない」と言う経営にとって危険な状態だと分かります。
けだし、事業計画書を作成していないのは、
「真っ暗な夜道を懐中電灯も持たずに歩いているのと同じ」です。
こんな状態であれば、普通の人であれば怖くて歩けません。
また、勘が良い人であれば、少しくらい見通しが悪くても、
ある程度は進めるかもしれませんが、
大きな落とし穴があれば、はまってしまう可能性が高いのです。
夜道と同様に
経営でも、「今まで、なんとなく進んでこられたから、今後も大丈夫」とは限りません。
今後、「景気や金融情勢が厳しくなる」かもしれませんし、
「従業員が増えて、今まで通りのマネジメントでは通用しなくなる」かもしれません。
「今まで、事業計画書がなくても経営が出来たとしても、今後も大丈夫ではない」
のです。
このように、メリット、デメリットの両面から見てみると、
しっかりとした見通しを立てて、「経営者、従業員が売上・利益に邁進できるようにし、
銀行からの借入が出来、資金の見通しが付く状態」にした方がよいと
気付くことが出来ますね。
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