中小企業の提携戦略

さくらマーケティングサービス

西原弘之

第3回 まず経営資源の棚卸をしてみよう

さて、前回まで、提携する理由についてご説明してきました。

今回は、提携先を探し始める前にやっておくべき事についてご説明します。

「モノ以外の経営資源にも着目しよう」

大概の分野の会社は棚卸をやり、モノとカネの資産を数えてみるわけですが、

経営の三要素のもう一つである「人」という資産を数えてみませんか。

 

単純に社員の数を数えることを言っているわけではもちろんありません、

自分の会社の社員が作り出す生産性、職場の雰囲気、士気などといった要素、

人に起因する資源を一度しっかり書き出してみることを『人の棚卸』といいます。

 

人の棚卸とは聞きなれない言葉かもしれませんが、

経営者であれば自分の会社についてはやっておきたいことなのです。

 

提携を進めるにあたり、自社の持てる経営資源を棚卸して

どこに凹があり、何が凸なのか、自分の会社の自画像を知ることは欠かせません。

 

社員である「人」が作り出す「お客さんの評価」も棚卸してみましょう。
自社はお客さんからどのように評価をされているのか。
大体イメージできるのではないでしょうか。

 

評価されている分が売上であり利益だともいえるでしょう。

もしもこの項目の棚卸資産が小さければ
そこをどうやって拡大してゆくのかを模索せねばなりません。


目に見えるモノとカネだけではなく、目には見えにくいものを可視化して書き出してみる。

 

経営者は腰を据えた分析家でありたいものです。

「銀行はヒトを見ている」

提携戦略とは少し話題がズレますが、銀行の着眼点の一つがここにあります。

 

貸借対照表と損益計算書は必須の資料ですが
もちろんそれだけで融資を実行してくれるわけではなく、
その企業の受注動向や社風、そして経営者の性格や経営哲学などを参照して
総合的に判断してくるものです。


経営者が目に見えないものをどうやってつかんでいるのか、
これは融資をする側には大きな関心事です。

 

例を挙げますと、受注は確かに上向きだけど離職率が高い企業の場合は
受注傾向だけで融資を決定するわけにはいきません。

 

この場合、経営者に何らかの問題があるのか、
あるとしたら何でそれをそうやって乗り越えようとしているのか。

最も大事なことは経営者がそういったことを把握しようとしているのかです。

 

必死にがんばります、と経営者から言われても
銀行の側からすればなんとも答えようはないことでしょう。


今回の主題である提携戦略を吟味する前に、
人を含めた自社の資源をしっかり把握しましょう。

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