「論語と算盤」を現代の経営に活かす!

ほめる人間力研究所
渡辺洋之

掲載日:令和2年2月25日

第6回 協調するが妥協はしない

皆さんの職場・組織は調和がとれているでしょうか。

チームワークの良い集団でしょうか。

 

最終回では、そんな人間関係について学んで参ります。

君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず

伊與田覺先生の解釈です。

 

先師が言われた。「君子は、誰とも仲良くするが、強いて調子を合わせたりしない。

小人は誰とも調子を合わせるが、心から仲良くしない

論語をビジネスに読み替えると・・・

組織は「調和」が大事、とよく言われます。

「調和」とは「和を調える」という意味です。

たくさんの人たちが一緒に働く職場。

そのひとりひとりは、すべて違った経験、体験をして成長してきました。

だから、考え方や感じ方が異なるのは当然のことです。

 

そんな人々が、

ひとつの目標に向かっていくときには、「調和」と「協調」が必要になってきます。

 

「調和」と「協調」はただ、べったりの仲良しクラブ的な関係になることではありません。

そこには節度をもって組織を運営していく必要があります。

 

組織の「調和」の維持ばかりに目が行ってしまうと、そこに「付和雷同」と「妥協」が、

生まれてしまうのです。

 

まわりと協調することと、安易に妥協することは大きく違います。

自分の意見はしっかりと主張する。他人の違った意見にも耳を傾け、

通すところは通し、受け入れるところは受け入れる。安易に妥協しない姿勢が大切です。

 

その意見のぶつかり合いは決して「和」を乱しているのではありません。

新しい展開への重要なプロセスなのです。

それを恐れて安易に他人に流され、「付和雷同」してしまうのは

真の「和」とは言えないのです。

リーダーの心得

惰性で合わせてしまうことはないでしょうか。

「調和」と「妥協」ついつい混同してしまうことがあります。

 

「協調」しながらしっかり自分の意見を持ち、安易に周囲に流されない。

この一見、相反する生き方をごく自然にスムーズにできるのが、理想のリーダーなのです。

それを論語では「和して同ぜず」(調和はするが安易に同調しない)と表現しているのです。

子路篇 書き下し文

子曰わく、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。

結びに

論語は2,000年以上前に書かれ、その教えは現代にも脈々と流れています。

終戦後、日本人が論語を読まなくなってから70年余りが経とうとしています。

しかし、この混迷の時代に人々はその答えを「論語」に求めるようになりました。

論語の中には宝石のような言葉がキラキラと輝いています。

 

日本人の国民性は世界中の称賛を浴びるところですが、

私はその源泉が「論語」にあると信じています。

みなさんが「論語」を紐解き、人生に経営に活かされることを願ってやみません。

 

「論語と算盤」を現代の経営に活かす!を6回に渡り、

購読いただき誠にありがとうございました。

[完]

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