倒産しない会社作り -強い売モノの作り方-
一般社団法人 市場創造研究会 理事
商品企画考房
代表 清水孝洋
掲載日:令和元年12月23日
第6回 AI・ロボット時代の泳ぎ方
レストランのウエイターなどの接客業務は人間にしかできないと思われてきました。
しかし、今やファミリーレストランなどでは、席にあるタブレット端末で注文し、
お寿司屋さんは席の隣のレーンを通って席まで一品一品運ばれてきます。
AIやロボットが職を奪っていく、人間の失業者が増える、そんな心配が聞こえてきます。
今や会計士さんだって、ソフトの進化やオンライン申請などで時代が変わってきています。
機械化や自動化は人間の敵なのでしょうか。
コンピュータ化は恐ろしいことか
機械化や自動化によってなくなっていく仕事もあるかもしれません。
でも、古くは手洗いから洗濯機の登場、最近ではロボット掃除機の登場もそうです、
テクノロジーの進化による自動化は人間を助けることが多いのです。
洗濯や掃除から開放された主婦は、外で働くことができる時間を手に入れます。
空いた時間で、さらによりよい未来を築くことができると思えば、
自動化、機械化も悪くないと思いませんか。
未来の仕事
日本の労働の約49%がコンピュータ化するといわれています。
ロボットやAIに代わっていく仕事は、製造業だけでなく、
単純作業のほとんどはコンピュータが担うようになるでしょう。
「手先の器用さ」「体の器用さ」「環境の複雑性への対応」「オリジナリティ」
「芸術性」「社会性」「交渉力」「説得力」「他者のケア」
こういった仕事はコンピュータ化への障壁が高く自動化されにくい、
つまり、創造力や協調性が必要な業務ほどコンピュータへの代替可能性は低いそうです。
企業活動の継続には、自動化と人間らしさのバランスをどうとっていくかが
重要な課題になってきそうですね。
私がここで話してきた、事業継続に必要なアクションである、
既存の商品・サービスの維持拡大と新商品・サービスの開発は間違いなく
人間にしかできないものです。
創造力は人間の偉大な力
人間には、「創造性」という武器があります。
人を幸せにするために、何かを開発して提供するという「気持ち」があります。
売上や利益のためではなく、昔の創業者がそうであったように、
みんなが便利だと思ってくれるものを提供すれば、みんなが喜んで使ってくれる。
消費者ニーズにしっかりと応えた商品やサービスは、買った人を笑顔にしてくれます。
販売や利益は、後から必ずついてきます。
創造力を鍛えよう
前回、説明し忘れましたが、
商品コンセプトとは、'アイデア+消費者ニーズ'という公式です。
「美味しいものを食べながら痩せたい」というニーズに応えるアイデアが必要なのです。
美味しいものを食べれば、食べるほど痩せていく、それも健康的に。
どうですか、難しいですよね。一人で考えてもなかなか良いアイデアは出ません。
でも、人間にはチームワークがあります。
チームでアイデアを出すと、一人の何倍もの数のアイデアが出ます。
コンピュータの登場によって希薄になってきた、業務内の人間会計やチームワーク。
創造性を発揮するときには、多人数で話し合うグループワークが効果を発揮します。
「凡人はグループになることで天才になれる。」わたしの師匠の言葉です。
時々、コンピュータやスマートフォンを置いて、人間にしかできない
グループワークで問題解決をしてみてはいかがでしょうか。
[完]