顔晴(がんば)ろう製造業 ~前向きな考えのススメ~

経営支援の現場

今までは製造業を外側から見た目でお話をして来ましたが、

今回は製造業を内側から見た目でお話をしていきたいと思います。

経営支援って何?

私は日頃、中小企業診断士として中小企業の経営支援を行っています。

 

中小企業診断士は、経済産業大臣が登録する国家資格です。

中小企業診断士の業務は、「経営の診断及び経営に関する助言」とされています。

具体的には、

「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」が主な業務です。

 

実際の経営支援は概ね下記の流れで進みます。

 

1.企業内部の分析

  財務状態、マネジメント状況、人材、ノウハウなど

  企業の現状有する能力を分析します。

  ※財務状態は、決算報告書など3期分の分析が基本

 

2.企業外部の分析

  市場動向、競合他社状況、法制度など

  企業を取り巻く外部の経営環境について分析します。

 

3.社長との現状認識の共有化

  ヒアリング等を通じて分析した企業の現状についての認識にズレがないか

  認識の共有化を行います。

 

4.企業が抱える問題点および課題の抽出

  社長との現状認識の確認を行った上で、企業の抱える問題点を抽出します。

  問題点の中で優先順位を付けて課題としてまとめます。

 

5.経営改善策の提案

 課題についていくつかの経営改善策を提案します。

  その中で、社長が自社のやり方に合うものを選びます。

 

6.経営改善策の実行

  実際に経営改善策について実行計画を作成し、実行します。

 

7.経営改善策の評価

  経営改善策の進捗を定期的にチェックし、効果を確認します。

  その上で必要に応じて計画を修正し、

  目標を達成するまで経営改善を継続します。

 

設備投資をせずに実行可能な経営改善策を数多く提案できるかが、

中小企業診断士の腕の見せ所と考えています。

 

実際の公的な経営支援では、上記の5項までで終わることが多いです。

本当は、それ以降が重要ですが、

個々のコンサルティング契約をすることで可能となります。

 

 

経営支援でよくあるパターン

製造業の経営支援を行っていてよく遭遇する場面を3つご紹介します。

パターン1:社長が財務状態をほとんど理解していない

 経営状況の悪い企業の社長にありがちなのがパターン1です。

 特に債務超過や連続営業赤字を出している企業には多いです。

 お金の流れを理解していないのです。

 景気がいい時はある程度どんぶり勘定でも経営できたかも知れません。

 KKDと言われる勘と経験と度胸の経営手法から卒業する必要があります。

 

パターン2:経営悪化の要因を自分以外のせいにする

 次によくあるのがパターン2です。

 自社の経営の悪化要因は全て自分以外にあるといった感じです。

 

 例えば、景気が悪いから売上が上がらないとか

 社員が駄目だから利益が上がらないと言ったものです。

 

 企業の経営は社長次第です。

 社長の経営判断がまずかったから現状を招いているのです。

 

パターン3:経営改善に理解は示すが、実行に移さない

 経営支援を行う中で困るのがパターン3です。

 現状認識はできており、改善の必要性も十分に理解しているが、

 実行に移さない社長です。

 

 経営改善は社長が率先垂範しなければ社員は動きません。

 

社長の気付きが大切

中小企業は社長の動きに企業の将来が連動します。

従って、理解の良い社長を演じていても意味がないのです。

経営を少しでも良くしようとするのであれば、

まずはしっかりと現状認識をする事です。


そこで何が自社の現状を引き起こしているのか把握することです。

例えば、

税理士や中小企業診断士のような専門家の意見を聞く機会があったとしても、

社長自身が変わらなければ企業は変われません。

社長、気付いて下さい。

 

信じて実行するのみ

経営改善を行うため、経営改善策を検討したらまずはやってみることです。

永年経営を行って来た自分を信じて、

他の人の意見にも耳を傾け、実行してみることです。

 

うまくいっていないと思えば、また次の改善策を実行すればいいのです。

 

まずは社長が行動に移すことです。

 

あと一押しがいる時は税理士中小企業診断士などの専門家に相談して下さい。

きっと社長の期待に応えてくれると思います。

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