アラブ諸国に販路拡大するために ~今話題の「ハラール」を正しく知る~
アラブ・コンサルティングサービス東京
岩口 龍児
第1回 アラブ(中東)について
皆さまは、アラブにどのようなイメージをお持ちでしょうか?
ドバイなど絢爛豪華な大富豪の生活でしょうか?
はたまた治安が悪く夜道を歩けないとかいうイメージでしょうか?
私はアラブに留学や駐在をした経験をし、
たくさんのアラブ人の友人がいるため
「多くの人にアラブの良さを知ってほしい」という気持ちで
自分の事業を立ち上げました。
実際に私がアラブに住んだ経験から、
皆さまのマイナスイメージをプラスに変えてもらうことから始めてみます。
アラブの基本情報 『ほとんどの方が外国人!』
皆さまにとって身近なアラブは、ドバイだと思います。
ヨーロッパの国々に行く場合でも、
ドバイを経由して行く場合も多いです。
ドバイ空港でトランジットをする場合、
空港の免税店で買い物をすることもあると思います。
買い物をするときアラブ風の店員が少ないことに気づくと思います。
なぜなら、ドバイに着目した場合
従来のドバイ人は全体の19%しかいません。
42%がインド人、13%がパキスタン人という比率になります。
これはドバイがあるUAEだけでなく、
私が駐在していたサウジアラビアも同様で
インド人、フィリピン人が国のビジネスを支えています。
『社内公用語は英語!』
皆さまが出張でアラブ諸国に行くことを想像してみます。
従業員はインド人・パキスタン人・フィリピン人が多く、
アラブの伝統衣装を着ている方が少ないため、
訪れる前と随分と印象が違うと思います。
私はサウジアラビアにある日系企業の現地法人で働いていましたが、
20ヶ国以上の国籍が働く多国籍企業だったため
「社内公用語は英語」でした。
現地出身のアラブ人も英語ができないと仕事にならない状況でした。
実際、英語が話せないアラブ人は、
話せるアラブ人に比べて就職にする機会が下がります。
サウジアラビアは国策で
アメリカやイギリスへの国費留学生を増やしているので、
日本人よりも英語が話せる方が多いです。
税金が無い!?
経済が潤っているアラブの国では、税金がありません。
ドバイやサウジアラビアでは、
ブランド品を購入する場合日本より安く買えることも多いです。
私はアラブに住む前はブランド品にあまり関心がありませんでしたが、
同僚や友人がおしゃれなブランド品を使っているので、
ほしいブランド品があったら買ってきてもらうことがあります。
ネット事情
日本では地下鉄や喫茶店でインターネットを使えるところが増えましたが、
なかにはパスワードが必要だったり、
特定の携帯会社に加入していないと使えないとか制限がかなりあります。
そのため外国人旅行客は日本のインターネット事情に不満があるようです。
比べてアラブでは、
空港にフリーのWiFiがあったり喫茶店にもフリーのWiFiが使えたり、
日本よりも便利な印象です。
治安について
最後に治安について触れておきましょう。
治安についてですが、
皆さんは危ないのでは?というイメージを持ちやすいです。
しかし、私の印象ではとても安全です。
例えば、サウジアラビアでは
宗教警察という風紀委員のような警察が街中を巡回していて、
市民の安全を守っています。
そのため、女性がショッピングモールの中など、
夜でも歩けるくらい安全で、とてもびっくりました。
イスラームというと異文化の宗教というイメージを持つかもしれませんが、
風紀をまとめる意味もあるので規律が守られていると言えます。
日本では墓石に落書きをしたりするイタズラが増えているので、
よっぽど風紀が乱れているのかもしれませんね!
ひとつ面白い話をしますと、
アラブに旅行すると、
公園や遊園地にアバーヤ(黒い女性の伝統衣装)を着た女性が
「夜に」ピクニックをしているのを見ます。
日中は気温50度近くなるため、
涼しくなる夜に遊ぶ文化があります。
女性達の集団でも楽しい時間を過ごしている姿をみると
アラブの治安の良さが感じられます。
次回は「ハラール」についてお伝えします。