次世代経営者へのバトンの渡し方
WITH株式会社 代表取締役
佐々木啓治
第5回 社員の現在地と目指す行先を示す
人事評価制度を最大活用することは、能動的に動く組織を作り出し、
ひいては、事業承継がうまくいく会社をつくり出す素地となります。
今回は、
人事評価制度を「自分の役割と将来像をイメージさせるツール」として活用する方法に
ついてみていきましょう。
人事評価制度の最大活用その1
1.自分の役割と将来像をイメージさせるツール
前提として、会社の将来像、つまりビジョンが明確に定められていることが必要です。
会社の将来の組織イメージと人事評価制度がリンクしていることがポイントです。
人事評価制度では、階層毎に期待役割を明示します。
つまり、自社の部長に期待する役割は何か。課長は?主任は?というように、
役職でイメージするとわかりやすいかもしれません。
その期待役割が、当然評価項目になっていくわけですが、
その期待役割の設定の仕方は現在の組織ではなく、
ビジョンを達成した時の組織をイメージして作らなくてはいけません。
現状の組織にあわせて作ってしまうと、現状より上を目指せる組織になるのが難しくなり、
また、社員から見た時に先が見えなくなります。
将来の組織図を見た時に、「自分がどの位置にいるか」または「どの位置にいたいか」を
社員一人一人にしっかりとイメージさせ、
また、社員一人一人が、その時の期待役割をしっかりと認識していれば
「これをすれば、あの位置にいける」と明確になります。
いわゆるキャリアパスです。
会社のビジョンと自分のキャリアパスがリンクして、理解できるような状態になることで
動く社員、そして動く組織へと変わる一歩になります。
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