次世代経営者へのバトンの渡し方

WITH株式会社 代表取締役
佐々木啓治

第7回 事業継承がスムーズにいく会社となる

人事評価制度を最大活用することは、能動的に動く組織を作り出し、

ひいては、事業承継がうまくいく会社をつくり出す素地となります。

 

人事評価制度の最大活用の最後として、

人事評価制度を「社員の動機付けを行うツール」として活用する方法に

ついてみていきましょう。

人事評価制度の最大活用その3

3.社員の動機付けを行うツール

 

これに関しては、人事評価制度における役割で誰もが想像できる役割だと思います。

基本的に、社員は給与という対価をもらうために働いています

 

自己実現、自分の成長を感じ取られるのは、評価による対価への反映が目に見えやすいため、

分かりやすいです。

 

ここでお伝えしたいのは

「給与やインセンティブを上げて組織を動かしましょう。」ということではありません。

正確にいうとそれだけではないのです。

 

「プラス評価だけではなく、マイナス評価もしっかりと制度に組み込むことで、

メリハリのある動機付けをする必要がある」ということです。

 

日本人は性質的に、

最高評価・最低評価という「極端」な評価をつけることはあまりしません。

「普通」か「普通より少し良い、少し悪い」という中心化傾向になります。

賞与に関しても、給料の〇ヵ月分、というイメージで会社側も社員側も認識しているため、

大きなブレも感じない仕組みになっています。

 

ここでの動機付けは、

「成果を出した人が絶対評価で評価され」「成果を出せない人も絶対評価で評価される

その仕組みを人事評価制度上に組み込むことで、動機付けをしていくようにします。

 

社員のキャリアパス(第5回)、管理職のマネジメント力アップ(第6回)、

そして今回の動機付けは全てリンクして、

理解する→実行する→成功する→継続する→成長する、という好循環を生み出す組織に

なります。

 

メリハリある人事評価の功罪

しかし、完全な成果主義ではなくとも、メリハリのある人事評価制度にすると

「社内がギスギスする」という経営者もいらっしゃいます。「社員から不満が出る」とも。

 

でもイメージしてください。

その場合、不満を出して、社内がギスギスする雰囲気を作っているのは

「成果をあまり出せない社員」なのです。

 

成果を出す社員は、むしろ更にやる気になり、 どんどん成果を出していくでしょう。

 

成果をイマイチ出せない社員は、

管理職のマネジメントPDCAと社員のキャリアパスへのコミットをしながら

動機付けツールの人事評価制度を介して、「成果を出せる社員」になっていきます。

 

こういった制度の仕組みをつくることで、

成果を出せなかった社員も、人によっては発奮して、成果を上げるような人材になったりします。

事業継承がスムーズにいく会社となる

どうでしょう。

 

ここまでのステップを踏んで、ビジョンや戦略・戦術を体感して社員一人ひとりが理解し、

人事評価制度を最大活用することで能動的に動く組織にする。

 

これが組織的なマネジメントのシステムを構築する、ということで、

社長のリーダーシップにだけに頼らずとも存続、成長し続ける会社になっていくという

ことです。

 

こういった組織を作り上げてから、次世代経営者へバトンを渡すことで、

事業継承がうまくいく会社になるというイメージが沸くのではないでしょうか。

 

御社の事業継承がスムーズにいくよう、参考となれば幸いです。

[完]

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