事業承継におけるM&Aの活用
株式会社キャピタル・ソリューション・ビジネス
加納 芳邦
掲載日:平成31年4月23日
第6回 これからのために
経営者に限らず人間誰しも、病気になって初めて健康の大切さが身にしみるものです。
企業も、業績が芳しくなくなって初めて、将来の方向性を改めて考えることがあります。
日ごろから、企業の将来選択肢の一つとしてM&Aを意識しておくことも良い事かもしれません。
「ご子息などに、絶対に跡を継がないといけない」と思い詰めることが
望ましくないプレッシャーになることもありがちだからです。
最後の大仕事
事業承継するためには、どのような形であれ、時間と労力がかかります。
社長として最後の大仕事に、会社のこれからを考えてみてはいかがでしょうか。
高齢でも元気な方が多くなり、これからの社長の年齢もますます高くなると思われます。
しかし、人間の体はいつどうなるかは分かりません。
早いうちから、事業承継について考え、実行していくことが大切です。
その上で、ご子息などが適材とお互いに理解できたら、親子ともども納得した上で
事業承継が進められそうです。
事業承継した後に、改めてご子息の代でM&Aの選択をされるケースもありました。
創業者の代では、プライドもありできなかった選択肢でした。
結果的に二段階でのM&Aになりました。
失敗してもやり直せる
M&Aをしても失敗することもあります。
失敗しないために良く検討する必要がありますが、
失敗してしまってもリカバリーが効く場合もあります。
実際、M&Aで事業を譲渡し、いざ会社が動き出したのは良いが、
新体制に従業員がなじめず、とうとう買手先が従業員ごと返却したケースがありました。
幸いにもこのケースでは、こちらで調整をして改めて同業の大手に売却でき、
円満に解消しました。
このように再度M&Aを行うと、時間と労力とお金が追加的にかかります。
しかし、失敗を恐れずその時点で、最適なソリューションを実行していくことも必要です。
全6回をご覧いただき、ありがとうございました。
貴社がこれからも発展していくことに、少しでもお役に立てると幸いです。
[完]