こうすればうまくゆく! 中小企業のIT・システム化

キャリアコンサルティングセンター

代表 小林 順一

第5回 IT・システム化における社長の役割

経営資源が限られている中で、うまくIT・システム化をやりとげ、

企業経営の結果(売上や利益など)を増大させるためには、6つの成功条件があります。

  1. 徹底的に議論する
  2. ステップバイステップ
  3. 業務ごとのIT・システム化のバランス
  4. プライオリティー思考
  5. IT・システム化の責任者の選任
  6. 社長

今回は、IT・システム化の成否を分けるともいえる「社長」についてお話します。

IT・システム化を推進する雰囲気・意気込み作り

高い投資とリスクをかけてのシステム化です。

まず、

社長が先頭に立って推進しているという姿が社員に映っていないとうまくいきません。

 

社長として、

まずはIT戦略や方針、達成目標を明確にし、それを周知徹底することから始めます。

 

つまり、

■目的・・・・「何のために」

■目標・・・・「何をどこまでやる」

を会社全員で共有し、

全社一丸となってやる雰囲気作りをやることが大切なことです。

うまくいく会社のIT・システム化は社員一人一人の意気込みが違うものです。

推進組織の責任者とメンバーを指名する

次に、前回も述べましたが、推進組織の責任者とメンバーは社長の指名で決めることです。

 

その際、考慮に入れておくべきなのは、

プロジェクトの推進責任者は、社長の思いを充分察していて、

社長と充分コミュニケーションがとれる人が望まれるということです。

 

社長とコミュニケーションできない人が担当すると、

いつの間にかシステムが軌道を外れてきます。

 

必要に応じてトップの指示を仰ぐことは、無駄な手直しを避けるばかりでなく、

方向性を見失わずに推進することができることも意味します。

IT・システム化の意味するところを知る

それから、社長はここから述べるIT・システム化の意味するところを

充分に知っておかなければなりません。

 

そうしないと目に見えない抵抗者、反対者がなぜいるのかが読めないからです。

 

実際にシステム化を進めてゆく段階で抵抗者、反対者は必ず出てきます。

 

なぜならば、これを進めるということは

業務を標準化して属人的な仕事のやり方を無くし

管理会計などの計数管理も例外処理を極力無くして

いわばオープン化にしてゆくということだからです。

 

そうなってくると、どうも都合の悪い取引が表面化してしまうことになります。

 

今までの手作業のやり方で上部への報告をよい計数にして修正して報告していたり、

業者との間で裏取引することなど、都合の悪いこともIT・システム化により、

情報の共有化、オープン化が行われると全て明るみになってしまうのです。

 

情報の共有化、オープン化の意味するところはそういうことです。

 

このIT・システム化を進める上で必ず出てくる抵抗者、反対者は、目には見えません。

 

抵抗者、反対者は面と向かっては言えないからです。

ですから水面の下(潜在化)にいるわけです。

 

IT・システム化をやる上で

■目に見えない抵抗者、反対者は必ずいる

■目に見えない抵抗者、反対者には必ず理由がある

ということを、社長も推進責任者も、しかと頭の中に入れておくことが肝要です。

 

■次回テーマは

<IT・システム化に失敗する会社>です。

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