経営戦略としてのワークライフバランス
経営戦略としてのワークライフバランス ~経営戦略としてのワークライフバランス~
特定社会保険労務士
菅田 芳恵
不況期こそワークライフバランスの推進
不況を機に業務効率を上げようと考えている企業も少なくありません。
先進企業では、むしろ不況を追い風と捉え、これまでの非効率な業務体制、
業務にメスを入れています。
一方で「当面の厳しい経営環境はサービス残業で乗り越えよう」という企業もあります。
しかし、こういった対応をしている企業は、さまざまなリスクに直面することになります。
例えば、サービス残業が不祥事として表沙汰になった場合は、
「社会的信用を失墜してしまう」「人材確保が難しくなる」などのリスクが考えられます。
さらに、働きにくい職場を放置しておくと社員のやる気が下がり、
「優秀な社員が辞めてしまう」「長時間労働で社員がメンタルヘルス不調になる」
などのリスクも発生します。
特定社会保険労務士として労働トラブルに関与している私は、
企業だけでなく、社員からもいろいろと相談を受けていますが、このサービス残業と
メンタルヘルス不調の相談がほとんどです。
サービス残業に関しては、労働基準監督署に駆け込む社員が後を絶たず、
またメンタルヘルス不調者は退職後に企業の責任を追及する姿勢を持っています。
経営戦略としてのワークライフバランス
「ワークライフバランスを推進したら、社員がどんどん休暇を取り、
働く時間が短くなって企業にとっては困る!」「うちは推進する余裕がない」
などと考えていませんか?
実はワークライフバランスの推進は、企業にとってコストになるのではなく、経営戦略の一つとして業績アップにつながる制度なのです。
ワークライフバランスを推進すると、なぜ業績や競争力が高くなるのか。
それは下記の図にあげた4つの説として示されています。
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