人事制度を問い直す

戦略組織コンサルティング合同会社 代表

関西大学 大学院 商学研究科 非常勤講師

村上 統朗

中小企業こそ「企業は人なり」を体現する

経営資源のないないづくしの中小企業にとって、社員は競争優位の源泉です。

 

繰り返しますが、不透明な今後を生き抜くには経営者と社員が一致団結して

事業に取り組まなければなりません。

 

一致団結するために有効な制度が、人事制度です。

是非この機会に以下の確認項目をご参照いただき、既存の人事制度を見直していただくことを

おすすめします。

 

①現在の人事制度では何が問題なのか、何を変えたいのか

問題意識なしに既存の人事制度を見直しても改悪になります。

何が問題で、何を変えたいのかを明確にする必要があります。

②現在の人事制度の良い点は何か

全てがダメな人事制度というものはありません。急変革には必ず抵抗が伴います。

現在の人事制度の良い点は何かを見極め、残せるものは残すことも重要です。

③現在の人事制度の運用上で苦労している所は何か

人事制度は運用して始めて効果が出ます。使いにくいものは普及しません。

 

例えば紙ベースの評価表のやりとりでは、時間もかかり、管理も大変です。

 

苦労しているところを明確にし、情報ツールを活用し使いやすい人事制度にすることが

大切です。

④事業戦略(人材戦略)と人事制度の連動性はどこの部分か

人事制度を構築していくと、

どんどん事業戦略・人材戦略とかけ離れていくことが往々にしてあります。

都度都度、振り返り連動性はどこの部分かを確認することが重要です。

⑤自社の組織文化の特徴や、幹部、社員の傾向は何か

企業それぞれ組織文化の特徴があります。

とてもアットホームな雰囲気なのか、アグレッシブな雰囲気なのか、年功序列なのか、

社外組が多いのかなど、十分に把握し、組織文化の特徴や幹部、社員の傾向を把握して

取り組まなければ、機能する人事制度は構築できません。

⑥自社の戦略上の強みは何か、同業他社より優れている点、劣っている点は何か

SWOT分析や、3C、5forcesなど既存の思考フレームワークを活用して、

構築した事業戦略の精査および、経営資源等の同業他社より優れている点、劣っている点は

何かを明確にしておかないと、事業戦略にブレが生じ、

人事制度との整合性を失うことになります。

⑦人事制度に求めるものは何か

結局何を人事制度に求めるのか?

 

人事制度は、非常にパワフルな制度ですが、万能ではありません。

何を求めるのかを絞り込むほど、有効な人事制度が構築できます。

あまり欲張らず人事制度に求めることを絞り込むことで、

シンプルでわかりやすくて扱いやすい人事制度を作ることができます。

 

以下、まとめとして、人事制度構築するうえで、

「必ず押さえなければいけないこと」と「やってはいけないこと」をまとめました。

少しでもご参考になれば幸いです。

[完]

 

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