日本経済新聞を上手に読む方法

帝京大学経済学部教授
山本 博幸

掲載日:令和元年9月13日

第2回 電子版か紙版か、電・紙論争は不要

新聞の電子版紙版論争

日経新聞社だけで、およそ1500人の記者がペンを持っています。

 

そんな巨大産業で、毎日議論されているのは、電子版か紙版か、だそうです。

海外も含めて、紙版は廃止するとか、電子版に力点を置くという話もよく聞きます。

それらは戦略的に考えたというよりも、

収益力が低下した結果、背に腹は代えられないという事情によると推察できます。

 

収益力の読売新聞は電子版に対しては、独特のスタンス取っているのは有名な話です。

日経新聞も、電子版をどのようにプロモートするか日夜研究しているのです。

 

新聞社という知性と教養の集団でも電子版・紙版はいまだに結論がでていないのです。

そんな神学論争のような電・紙論争に入り込んではいけない。

ただ単に、皆さんが、電子版で、あれ紙版であれ

世界がより正しく見通せるスキルとノウハウをつけてもらいたいだけなのです。

 

電子版紙版論争はいったんやめて、

紙版から日経新聞を読むための基本のキをマスターして

一生もののスキルとノウハウを獲得しようではありませんか。

紙版日経新聞でスキルと知識を身につける

たとえば、街角の青年たち100人に日本の人口をたずねると、

半数は正確な数字が出ないでしょう。

そこに、金融・経済リテラシー(知識などの基本)といっても無理があるかもしれない。

 

その一方で、多くの皆さんは世の中の出来事や仕組みがわかるようになりたいのです。

 

本稿をここまで読み進むということは、既に意識が高いことは証明されました。

 

日本経済新聞をしっかり読めるようになりたいが、

何から手を付けていいのかわからないうちに時間がたってしまったという人が

多いのではないでしょうか。

 

物事には道具やコツが必要ですが、幸い日経新聞を読むには道具はほとんど不要です。

最低一か月、普通であれば三か月間、本稿で書かれたメソッドを単純に繰り返すだけで、

一生もののスキルと知識が手に入ることになります。

 

スポーツでも基礎体力の向上のための努力は、苦しく退屈ですが、

日経新聞を読むための基本も、普通は無味乾燥となってしまいます。

そこで脱落するケースも多いのですが、

できるだけ吐息が聞こえるような掛け声をしながらより楽しく秘伝伝授の工夫をします。

 

本当のことをいいます。

当面、日経新聞は毎日買う必要はありません。

金曜日か土曜日の朝刊を買って、一週間持ち歩きましょう。

 

第3回に続く

[次へ]

分類一覧

メールマガジン登録

弥生会計支援室 名古屋

金融円滑化法,経営改善計画,経営計画,

相続でお困りの方


ページの先頭へ