契約の基礎知識

大槻経営法律事務所

弁護士・中小企業診断士 大槻 隆

第3回 基本契約と個別契約、仮契約

基本契約と個別契約の関係

取引を開始するに際して、

基本取引契約書とか、基本契約書などの契約を締結することがあります。

そして、それとは別に取引開始後に、個別の契約を締結することがあります。

 

では、両者の適用関係はどうなるのでしょうか?

内容が一部抵触する場合の効力が問題になります。

 

それについては、以下のように考えます。

 

契約書に優先関係の規定がある場合には、それに従います。

逆に言えば、契約書で優先関係を定めておけば明確になります。

 

契約書に優先関係の規定がない場合は、原則として、以下の通りになります。

まず、後に締結した契約の方が優先します。

また、一般的なことを定めた基本契約よりも、特定の取引に関する個別契約が優先します。

 

できれば、契約書に優先関係を規定しておく方が良いですね。

その方が適用の優先関係等に関する紛争を予防できます。

仮契約とは?

「これは仮契約書なんだからなんの効力もないよ。」と、

後で本契約さえ結ばなければ問題はないと思いこんでいる人はいませんか?

 

仮契約だって立派に契約成立とみられることもあります。

契約の効力があるかないかは内容によります。

 

例えば、2日後に売買の本契約と決まっていて融資を受けるために仮契約を締結した場合、

もう契約は成立していると言えます。

また、内容によっては、本契約を締結する義務が認められる場合もあります。

 

もちろん仮契約をすれば必ず契約の効力が発生するというわけではありません。

 

例えば、「○年○月○日までに宝くじで1等が当たったら(=これを条件といいます。)、

正式に契約して土地を買う」という仮契約だったら、

 

宝くじがはずれれば仮契約は何の効力もありません。

ただし、売主が条件がはっきりするまで他に売却できないという

不利益的効力は認められます。

 

次回からは、具体的に契約書作成に関する内容に入っていきたいと思います。

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