資金調達したい経営者のための【銀行対応入門講座】

経営コンサルタント

平野貴之

第4回 銀行対応の基本「事業計画書編」

次に、銀行対応(特に、資金調達)の基本として、

銀行員は「事業計画書」のどこを見ているか?です。

事業計画書を作成していますか?

事業計画書は、起業や資金調達の時などに作成したことはあっても、

継続して作成していない場合がよくあります。

 

それは、第一回目でもお話したように、

「事業計画書」には、作成のルールや法律がないということが原因です。

つまり、事業計画書は自由形式なのです。

 

自由と言う言葉は良い言葉ですが、「実際に自由に書いていいよ」と言われると、

人は何を書いてよいのか分からず、なかなか書き出せないのです。

事業計画書に何を書けば良いのか?

まずは、事業計画書には何を書けば良いか?からお話していきます。

 

事業計画書は、

「5ヶ年の予想の損益計算書(5年間の売上や利益の数値の予想)」だけを書く

というイメージの方もいるかもしれません。

 

でも、それでは数値計画であって、事業計画ではありません。

 

なぜなら、

「どのような行動をするから、その数値計画になるのか?」と言う部分がないからです。

 

逆を返せば、「どのような行動計画で、どのような数値計画になるのか?」が書ければ、

事業計画書となるのです。

 

事業計画は、過去を含めた現状からスタートし、将来の数値予想でゴールします。

ですから、まずは「現状分析」が必要となります。

 

そして、スタートからゴールにたどり着くためには、以下の3つが必要です。

  • 会社の全体の方向性を示すもの(経営理念、ビジョン、社長の想いなど)
  • ここ数年の方向性を示すもの(経営戦略
  • 具体的な行動計画(経営戦術

 

単純化すると

経営理念⇒経営戦略⇒経営戦術⇒5ヶ年の予想損益計算書」の流れが、

最低限の事業計画書となります。

 

業者や企業規模によっては、それ以外にも必要になることはあるのですが、

以上の流れが基本となります。

銀行員が事業計画書に注目する点

銀行員もこの点を見ています。

 

銀行員が事業計画書を見て

「絵にかいた餅ですね」と言ったり、「信ぴょう性がない」と言ったりするのは、

上記の基本の流れ(「経営理念経営戦略経営戦術5ヶ年の予想損益計算書」)で

作成されていないからです。

 

例えば、5ヶ年の予想損益計算書(数値)だけを中心に作成していると、

読んだ側には「数値の根拠が不明だし、イメージもわかない」のです。

 

しかし、上記の流れでしっかりと作成していれば、単に形だけ作った事業計画ではなく、

社長自身も従業員も事業計画書にそって具体的に行動できるようになります。

 

また、自分たちが行動できる事業計画書というのは、

他の人(銀行員など)が見ても「この計画はこのようになって行くのだろうな?」

というイメージが浮かぶものです。

 

そうなれば、事業計画書の信ぴょう性が上がり、

融資などの判断として「使える」事業計画書となるのです。

 

よって、事業計画書のポイントは、

自分たちがその計画通り「行動できる事業計画書かどうか?」です。

 

それが出来ると「融資の判断に使える事業計画書」にもなるのです。

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