環境ビジネスに低リスクで参入する方法

大手に負けない販促活動の進め方

株式会社エスト・コミュニケーションズ代表取締役
マーケティングコンサルタント

弓削 徹(ゆげ・とおる)

商品が売れる3要素を知る

商品が選ばれ、売れるためには、次の3つの要素がカギとなります。

 

    物語  デザイン  キーワード

 

まず、物語について説明しましょう。

人は、読み聞かせをしてもらう幼児期から物語が大好きです。

記憶術にも、無関係のものをストーリーで結びつけて暗記する方法があるように、

物語によって人は強く記憶し、ファンになったり、他者にクチコミしたりします。

 

たとえば、環境ビジネスに参入したのはどのようなきっかけ、経緯があったからなのか、

商品開発にはどんな困難、苦労があったのかなどをウェブサイトに記載することで、

より印象深く会社の価値を伝えられるわけです。

 

次にデザインとは、製品の工業デザインやロゴ、パッケージデザインなど。
日本の家電メーカーが韓国企業に負けている理由のひとつが、

デザイン面での取り組みが遅れているから、とはよくいわれることです。

 

どんな製品カテゴリーも、市場が成熟して差別化がむずかしくなっていく過程で

デザイン品質が問われるようになっていきます。

 

たとえば、洗練された心地よいデザイン、使用者を選ばないユニバーサルデザイン、

機能性が一目でわかるデザイン、ヒューマンエラーを防ぐデザインなどなど…。

デザインには、一瞬で伝わる即効性があるのです。

 

キーワードとは、キャッチコピーとネーミングなどコトバの要素です。

クチコミされるときも、インターネットで検索されるときも、基本はコトバ

 

ユニークなネーミングで話題になったり、メディアで紹介された事例にはことかきません。

ブランディングも、スタートボタンはブランドネーミングでしょう。

 

しかも、キャッチコピーやネーミングを社内で考えるのなら、

知恵は必要だけれどコストはかかりません。

ぜひ、おカネの代わりに時間をかけてアイデアを出していただきたいと思います。

販促ツールを上手に活用する

中小企業には、営業スタッフが少ない会社も、営業部そのものがない会社もあるでしょう。

背景としては、営業に力を入れなくてもよい下請け業態の名残りがあるのかもしれません。

 

人件費を増やさずに、販売促進をおこなうためには販売代理店などを募るのもひとつの方法。

いわば、営業をアウトソーシングするわけです。

 

くわえて、基本的には販促ツールの上手な活用が必須です。

おすすめは、導入事例集やデータ試算表など、製品・サービスの導入効果が目に見えるもの

 

商談に際してセールストークを必要としない、いわば「職人営業」でも

契約に結びつけられるような"一人歩きできるツール"があるとよいでしょう。

 

さらに、ネット活用

製品全般、注意点などの情報を掲載して信頼感を醸成し、
セールスに結びつけることのできるソリューションサイトを、

企業サイトとは別に構築することが有効です。

 

また、SNSの利用が盛んになっていますので、
Facebookページやブログサービスなどを使ってアクセスやリンクを増やしたり、

自社サイトへの導線をはりめぐらせたり、SEO対策とすることなども実践してください。

中小企業ほど成功できる環境ビジネス

環境ビジネスには、資本力がものをいうカテゴリーももちろんありますが、

小さな組織のほうが現実的なニーズに近く、新規事業の成功率も高いのではないでしょうか。

 

そもそも、大企業は1,000億円程度の市場規模がなければ参入してきません

また、本業の製品によって環境に負荷をかけながら、

別事業部が競合する環境製品を販売するのは社内事情が許さないこともあるでしょう。

 

現実に大企業では迷走が起きており、米ソリンドラ、独Qセルズなどが破綻、

日本でもシャープなどが苦境に陥っています。

これらは、大手が参入する領域(大規模市場)が、

途上国企業がターゲットとする領域と重なっていることが主な原因です。

 

また、環境ビジネスでは、行政の方針が変更になったり、

あるいは災害や事故が起きてエネルギー事情が変わるなど状況や法規制が激変します。

大きな組織が調査をして書類をつくったり、稟議を回していては

ビジネスチャンスを逃してしまうでしょう。

 

このように、組織力も資金力もある大手の方が有利かというと、現実はまったく逆です。

そして、環境ビジネスという巨大なフィールドの中には、

あなたの会社がオンリーワンを謳歌できるニッチな市場が必ずあるに違いありません。

 

ここまでお伝えしてきたノウハウを生かし、

貴社独自の成長市場を確立していかれることを心より願っています。

[完]

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