伸び悩み、ジリ貧企業は必見! 治した会社から伸びていく「中企業病」対策
フラックスブレイン・コンサルティング
代表 宮林幸洋
第3回 「中企業病」の重篤化症例
トップへの依存を強めることで、個人としても組織としても弱体化してしまっていますが、
中企業病がさらに重篤化すると、会社は本格的にダメになっていきます。
症状の認識
ジリジリと業績が悪化する様子を目の当たりにして、トップも黙っていられません。
商機を逃すな、もっと客に当たれ、経費を抑えよ、若手を指導せよ・・
いろいろと発破がかかります。
現場は弱体化しながらも日々黙々と働いていますが、
忙しさが増す中でトップの指示がなかなか消化できません。
ここにきて、遅ればせながら中企業病の症状に気が付きます。
事業環境の変化についていけていない、考えて動けていない、チャレンジできていない、
現場のマネジメントができていない、指導・育成ができていない・・と。
追い打ち ~症状の悪化
これではイカンということで、テコ入れのための檄と指示が飛びます。次々と。
これまで避けてきた難しい仕事も指示されます。イヤイヤながら従ってみても
そう簡単に成果に結びつきません。時間ばかり費やして業務は逼迫していきます。
特に、主戦力である中堅クラス社員に大きな負担がかかり、忙殺されていきます。
忙しいので、連絡や相談・打ち合わせなどもおろそかになっていきます。
相互不理解はスムーズな業務の妨げになります。手間が増えます。
忙しいので、これまで以上に部下の面倒が見られなくなります。
人材が育たないだけでなく、若手には不満が生じ、悪くすれば離職につながります。
必要な戦力はいつまでたっても整いません。
業務が増えた上に疲労が蓄積して、判断力も鈍ります。
人手も足りないので教育が不十分なまま業務に当たらせざるを得ません。
そんな状況では、対外的なミスや事故が増加します。
顧客の不満や事故は会社の信用を落として商売にも悪影響が出ます。
リカバリーのためにさらに大きな手間がかかります。
ミスや事故が増えだすと、これはいよいよマズいとなって、現場管理を強化します。
あれこれと手法を導入し、内部資料も多くなります。
指導・打ち合わせのためとして会議が増えます。
現場管理が分かっていないからと"研修"などの受講を強制します。
内向き作業が増えます。商売の時間が減り、生産性が低下します。
溢れた作業をこなすために時間外勤務が増えます。
人件費が増えます。さらに利益を圧迫します。
(サービス残業など、これからは法的にも大きな問題となります。)
帰宅後の時間や休日まで返上して、従業員の疲労やストレスがさらに蓄積します。
不満が社内に充満します。
重篤化 ~さらなる悪循環に陥る
失敗、ミス、事故が増え、利益も上がらない・・
トップは業を煮やします。
「指示したことが出来ていない!」【やる気はあるのか?】と。
現場は一生懸命やっているつもりなのでこう思います。
「そんないろいろ言われても無理!」【ちゃんと現場の状況が分かっているのか?】と。
不満、相互不信、無力感(言っても無駄だ・・)が社内に渦巻いてしまいます。
コミュニケーションは完全に停滞し、忙しさも限界を超えて、
もうただひたすら目の前の業務を黙々とこなしていくばかり・・・
さらなる悪循環が待ち受けています。
こうなってしまうと中企業病はかなり重篤です。
大げさではなく、私が実際に見たケースではこんな風でした。
さすがに貴社の場合はここまでひどくはない・・でしょうか?
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