倒産しない会社作り -強い売モノの作り方-

一般社団法人 市場創造研究会 理事
商品企画考房
代表 清水孝洋

掲載日:令和元年11月1日

第1回 中小企業倒産の実態と原因

まず、現状を把握です。

 

メーカーに勤めていたので、必ず、

現状把握→要因の解析→対策の検討と実施→効果の確認→標準化と管理の定着

という、プロセスを大事にしてしまいます。

 

俗に言うPDCAですね。

 

特にP(プラン)が一番大事です。

結構、Do、Do、Doの方をお見かけします。

時にはじっくりプランを立てましょう。

 

ではさっそく、倒産している会社の現状を見ていきましょう。

 

中小企業倒産件数は減っている

2018年の中小企業倒産件数は8,405件でした。

この数年8,000件台で微減という状態ですので当面はこのような状態が続くのでしょう。

2000年代初めの18,000件くらいの倒産件数から比べるとかなり減ってきていますね。

 

しかし、そもそもの分母である企業数が違いますので

割合で見ると他人ごとではないのです。

 

試算をしたことがあるのですが、バブル崩壊時期の倒産件数割合は全企業の0.4%ほど、

最近の倒産件数割合は0.25%ほどです。

近年でも0.25%程度の割合で企業は倒産しているのです。

 

さらに倒産企業の平均寿命は23.5年だそうです。

平均寿命ですから長寿企業でも倒産・廃業の危機からは免れないということですね。

 

素朴な疑問、なぜ倒産するのか?

中小企業庁が発表する白書・統計情報には、その原因の記載があります。

 

 

円グラフは2016年の中小企業庁資料から私がグラフ化したものですが、
原因の80%が「販売不振」と「既往のしわ寄せ」によるものであることがわかります。

 

販売不振とはシンプルに、売上高が減少して収益が伸びないことを指します。

 

既往のしわよせとは、業績が悪化しているのにも関わらず、

それを把握していない為に倒産してしまうこと。

過去から資産が残されていて、それを食いつぶして経営している場合、

会社が安全であると思い込んでしまうことを指します。

 

素朴な疑問、なぜ販売不振と既往のしわ寄せは起こるの?

「売りモノ」である商品には「プロダクト・ライフサイクル」というものがあり、

いつかは役目を終えてしまうのです。

 

役目を終えた「売りモノ」はもうお金にかわりません。

「売りモノ」である商品が役目を終える前に、新しい商品・サービスを投入して

次なる「売りモノ」で販売を維持、拡大していくのが企業活動なのです。

 

今ある「売りモノ」を継続的に売る。

新しい「売りモノ」を創る。

 

この2つが両輪として機能しないといけないのです。

 

今ある「売りモノ」の販売が落ちているのに、まだまだ元気だと錯覚してしまうのが
既往のしわ寄せ。

さらにその状態であるのにも関わらず、

売れる新商品やサービスである「新しい売りモノ」が投入できない。

 

こういった状態が長く続くと倒産という状況に陥るのです。

 

いきなり初回からハードな内容でしたが、

次回からは、その危機を未然に防ぐ方法を解説していきますね。

 

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