倒産しない会社作り -強い売モノの作り方-
一般社団法人 市場創造研究会 理事
商品企画考房
代表 清水孝洋
掲載日:令和元年11月13日
第2回 会社が大きくなった訳を知る
戦後70年以上たった今、ベンチャー企業を除くと現存する企業は50周年とか
100周年とかいう長寿企業も少なくないのでしょうか。
大企業は特に継続年数が長く、多くの社員が創業時代を知らないという
状態になっているのではないかと想像できます。
しかし、どの大企業も創業時は小さな会社でした。
戦後の経済成長とともに成長してきた企業も多いのですが、
その背景には、親亀と小亀の関係があります。
元気に育つ、親亀と小亀
創業時には必ず、メーカーには商品、飲食店には提供する食べ物や飲み物などが
あったでしょう。今でも創業時の商品やサービスが売れ続けている企業もあります。
仮にメーカーを題材として話を進めますと、
商品Aが子供たちに大ヒットし、売上がどんどん上がっていきます。
これが親亀Aです。
亀は千年といいますが、いつかは亀にも寿命がやってきます。
そこで、家族で遊べる商品Bを投入しました。大ヒットです。
会社はどんどん大きくなります。
次に、お父さんの暇つぶしに遊べる商品Cを投入するとそれも大ヒット。
親亀Aの上に、小亀B、小亀Cが積みあがっていく、
これが企業の成長イメージです。
親亀小亀の理想と現実
私の記憶ではバブルがはじけるまでは、
何をやっても成功するような感じがしましたが、今はそうではありません。
親亀Aはなくなり、今は小亀Cが親亀です。
でも、その後発売される商品はことごとく失敗し、積みあがる小亀は現れません。
新たな小亀Dがいない、これが多くの会社の現実です。
しかし、こんな時代でもしっかり、既存事業を守り、
新商品をヒットさせている企業はたくさんあります。
親亀を守り、小亀を育てる。これが成長には必要なことなのです。
新しいものだけに着目せず、古いことを新しいものに適応させていく、
古いものばかりを大切にせず、新しい取り組みを入れていく、
こういった、バランス感覚が必要な時代なのです。
既存商品やサービスの衰退や新商品が積み上げられない原因は何なのでしょうか。
次回から、少しずつ解明していきましょう。
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