ASEAN経済共同体とタイ進出の基礎知識

ASEAN JAPAN CONSULTING 株式会社(日本法人)

Kaigai Advisory Co.,Ltd..(タイ法人)

代表取締役  阿部俊之

第1回 2015年末来たるAEC ASEAN経済共同体(AEC)の概要

2015年末 AECとは?

2015年12月末から、ASEANアセアン経済共同体(AEC)が開始される予定である。

 

このASEAN、東南アジアの10か国が加盟していて

最初の枠組みは1967年に

インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5カ国で発足し、

その後ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアと加盟し、

計10か国で構成されていく。

 

総人口規模はおよそ6億2000万人(2014年度)。

 

5億人(2014年)の人口を抱える欧州連合(EU)よりも多い経済共同体であり、

2013年加盟国の合計のGDPは2兆4,104億USドル、日本のGDPの約半分の規模で、

さらに今後も成長を続ける国家群を形成している。

AECの人口構成

特に大きく注目されている人口構成だが、比較的若く、今後増加する可能性の高い、

若い中間層を抱えた国が多く存在するのも、日本とは対照的である。

 

既に世界4位の規模インドネシア2.5億人を筆頭に、

フィリピン、ベトナムなどが1億人を越えていく推計が出ていて、

2030年までに域内人口は7億人を越える見通しである。

 

 

そして平均年齢が圧倒的に若いことも大きい(参考までに日本は43.8歳)。

シンガポール、タイを除いた国々は20歳代と大変若い年齢構成となっている。

 

これらの若い層が今後、バイクを購入し、自動車を購入し、住宅、高級品、

そしてモノから経験や体験、サービスにお金を支払う時代に入り、

消費市場が拡大していくことが見込まれる

AECと関税撤廃

既に多くの関税は撤廃されているものの、このAECにより域内の

モノの関税撤廃」「ヒトの移動(特に上級職)」「サービス・投資の自由化」が進み、

規制緩和やルールの共通化で経済発展が見込まれるとされている。

 

実は先行して加盟した国はASEAN先進6か国と呼ばれ、

シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ブルネイは

総品目数の99・2%(2013年)の関税を撤廃済みである。

 

一方で、2020年までに、まだ関税撤廃を実現していないベトナムや

ラオス、ミャンマー、カンボジアなど後発、後進ASEAN4カ国の関税撤廃率は

72・6%(同)であり、今後の関税引き下げ、撤廃による動きで

大きくメリットを受ける国とそうではない国と分かれていく可能性もある。

 

※既に日本企業の製造業の一部はこのASEAN経済統合の動きを見据え、

製造業の中心部タイから近隣のラオス、カンボジアなどへ生産移管を検討する企業、

既に一部移管を開始している企業もある。

 

これがいわゆる「タイ+1」と言われていて、タイから次の生産国をどこに決定するのか

非常に重要な選択を迫られる企業も多くなっている。

 

※タイには既にバンコク商工会議所登録ベースで1600社、

日系企業とカテゴリーされる企業数で8500社以上が進出済みである。

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