従業員に給料分働いてもらうには
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さくらマーケティングサービス
西原弘之
第4回 目標管理制度の導入
努力と成果を「見える化」するための手法
貴社に於いて人事的な考課を通して給料分の働きを見える化する為に
目標管理制度を導入するにあたり、
それを具体的に記述した「目標管理シート」の例をご紹介しましょう。
下に添付したのは、ある保育園で保育士さんの一人一人に課した目標管理シートです。
毎日子供たちの世話で忙しい保育士さんですが、
やる仕事は決まっているようで決まっていない、
とにかく何でもやらないといけない大変な仕事です。
何でもやらないといけないとうのは中小企業の現場に通じる部分も多々あります。
その保育園でこの目標管理制度を採用したのは、
日々の標準作業に追われる中でもいろいろな改善や工夫しようという
保育士の努力とその成果を見えるようにしよう、
それをちゃんと評価してモチベーションアップにつなげよう、という狙いです。
この例にあるように、いわゆる標準作業は目標管理の対象には入りません。
それは元から給料のうちに入っているからです。
目標管理の目標とは、多くの場合は標準工数以外に、
その人独自の工夫や努力目標で、達成したら報酬の査定に組み入れることを約束したもの
ですが、
企業に於ける一部の間接部門などでは
標準作業がその人のタスクのほぼ100%という例も出てきます。
その場合は標準作業に対してミスがなかったか、作業が十分速かったか、などの点で
評価をできる基準を明確にしましょう。
これに加えて効力感、つまり誰かの役に立っている、感謝されている、
成長しているといったことが定量的あるいは定性的に目標や成果として明示され、
かつ上から認めてもらうというものがあれば
社員活性化のツールとしての目標管理の存在は100点満点と言えます。
人材の活性化は、これらが誰からも見えることから始まります。
目標管理は原価ゼロでできる社内活性化策
普段から上司が部下の仕事ぶりについて目配りをするのは大事なことです。
それはしかしながら上司との関係の中に於いての事で、縦横のつながりの中で見えるわけではありません。
中小企業だと人数が少ないことを逆に利点と捉えて
他の社員の仕事ぶりを見える化するために、
社員全員の目標管理シートを社内のよく見えるところに張り出している企業もあります。
かつて私がいた50名ほどのベンチャー企業でも、
毎年2回、目標管理シートが張り出されましたが、
どの部署の誰が何を目標に何をどうやって頑張るのか、
それが分かる効能はチームワーク醸成に大きな効果をもたらしました。
全社で目標に向かう一体感が出ますし、皆で分業して会社をよくしてゆくのだという
実感が沸いたものです。
具体的な目標を語るには6W2H
従業員と共に目標を策定するときは、6W2Hを意識して共同で協議してください。
会社側が押しつけたものではなく社員が自分の仕事を見渡して自発的に決める事。
それが重要です。
- WHAT 何をしようとしているのか
- WHO 他部署の誰に何を協力してもらうのか
- WHOM 誰に対して効果のある事なのか
- WHEN どういうスケジュールで、いつからそれをやるのか
- WHERE どこでやるのか
- WHY そもそもその意義は何なのか
- HOW 具体的にどうやってやるのか
- HOW MUCH 予算をいくらつけるのか
この6W2Hは、私の前回の寄稿「黒字経営、そして赤字からの脱却」で詳しく
述べていますので、またバックナンバーをご覧ください。
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