次世代経営者へのバトンの渡し方
WITH株式会社 代表取締役
佐々木啓治
第1回 事業承継がうまくいく会社といかない会社の違い
御社の事業承継はうまくいきそうですか?
世の中には事業承継がうまくいく会社と、うまくいかない会社の両方が存在します。
その会社の違いは何なのか。
これらの違いを認識してからの方がより理解が深まりますので、
次世代後継者へのバトンの渡し方についての具体的な内容に入っていく前に、
まずはその違いについて説明していきます。
事業承継がうまくいかない会社の特徴
事業承継がうまくいかない会社の特徴
- 現社長の社内でのリーダーシップや影響力が強烈
- 現社長がいまだに現場に出て一線で活躍している
- 社員の評価は全て現社長が独断で決定している
- 管理職(マネージャー)が部下を育てられない
- 社員は自分で考えて行動せず、指示された仕事をこなす指示待ち人間ばかり
事業承継がうまくいかない会社は、
良くも悪くも現社長が強烈なリーダーシップで会社を引っ張り、
社員は社長の「手足」となって動く組織となっています。
しかし、これは仕方のないことなのです。
中小企業の社長、特に創業オーナーが現社長の場合、
創業オーナーの強い気持ちとパワー、バイタリティなどで
これまで会社を成長させてきたと思います。
つまり、社長が「会社の中で一番仕事のできる人」なのです。
社長自身が積極的に会社を引っ張っていかないことには、
会社の成長どころか存続すらも危うくなってしまうことが多いのです。
結果的に事業継承をする際に、社長並みのポテンシャルをもった社員が出てこないため、
事業継承に不安が残ってしまうのです。
事業承継がうまくいく会社の特徴
事業承継がうまくいく会社の特徴
- マネジメントの体制が「個」ではなく「仕組み」になっている
- 社長が現場の仕事に出ることはほとんどない
- 管理職(マネージャー)がPDCAを回せる組織になっている
- 社員が能動的に動けるような組織になっている
反対に事業承継がうまくいく会社は、現社長の「個」のマネジメントではなく、
会社全体としてマネジメントのシステムが整っている「組織」のマネジメントとなっているのです。
社長の「個」の影響力やリーダーシップだけに頼らずとも、
会社の存続はもちろん、更なる成長を狙えるような組織にすることで、
スムーズな事業継承が可能になるのです。
それでは
具体的に、マネジメントのシステムが組織として機能している会社になるためには、
ひいては事業継承がうまくいく会社になるためには
どのように進めていけばいいのでしょうか。
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