次世代経営者へのバトンの渡し方
WITH株式会社 代表取締役
佐々木啓治
第4回 「人」が動かない原因を解消する仕組みづくり
「考える物差し」も使って、社員全員・会社全体でビジョンや戦略、戦術を体感理解する
ことはできました。
しかし、実際には理解した目標や戦略・戦術を実行しなければ、何も成果は生まれません。
つまり、「動く組織」を作らなければ目標や戦略は、「絵に書いた餅」になってしまいます。
これからは、どのように動く組織をつくっていくかを伝えていきたいと思います。
「人」が動かない原因
まず、人が動かない時、はどのような時でしょうか?
- やりたくない。
- やる時間がない。
- やるスキルがない。
- やるメリットがない。
色々な原因が挙げられると思います。
まず、そもそも「やりたくない。」という感情。
これに関しては、その人の気持ち的な問題で、複数要因が考えられます。
次に「やる時間がない。」
本当に忙しい場合もありますが、
基本的にはその人の生産性と仕事の優先順位のつけ方、に問題があると考えられます。
「やるスキルがない。」
スキルがないので、やる自信がない。失敗したらどうしよう、という感情。
スキルを上げるには時間がかかるため、できる事から徐々に範囲を広げていくパターンで
しょう。
ただ、これは目標連鎖の考えで、各社員の役割分担の仕方に問題がある場合もあります。
「やるメリットがない。」
それを実行することで、自分に何のメリットもないと思っている場合です。
近年の新卒社員に増えているそうですが、
上司の指示したことについて「それは何のためにやるのでしょうか?」と聞いてくる、
そんな社員を想像してください。
これらは人によってどれに該当するか(複数も有)もありますが、
これらを解消していかないことには、なかなか人は動きません。
「人」が動かない原因を解消する!人事評価制度
では、どのように解消していくか。
完全に解消というのは難しいかもしれませんが少なくとも、
「人事評価制度を最大活用すること」が最低条件です。
御社には人事評価制度はありますか?
中小企業の社長に質問をすると、
「ある」と答える経営者と「ない」と答える経営者は半々ぐらいです。
しかし、「ある」と答えた経営者に「ではその人事制度は最大活用できていますか?」
とお聞きすると、皆さん「?」という顔をされます。
人事評価制度をただの「給与を決めるルール」だけで運用するのは非常にもったいないです。
- 自分の役割と将来像をイメージさせるツール
- 管理職のマネジメント力アップのツール
- 社員の動機付けを行うツール
これら3つの側面を含めて人事評価制度を最大活用することで、組織が動き出し、
事業承継がうまくいく会社の素地となります。
次回は、「自分の役割と将来像をイメージさせるツール」についてみていきましょう。
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