伸びる会社の人材採用はここが違う!
キャリアコンサルティングセンター
代表 小林 順一
第1回 どんな人物を採りたいのか? ~人手か人材か? 正社員か非正規か? 新卒か中途か?~
今年(2015)から就職活動スケジュールが大きく変わりました。
これまで、学部3年12月から解禁されていた採用情報公表が、
2016年春卒業予定者(大学生)から、3月1日に解禁となり、
採用選考はこの8月から解禁になりました。(経団連所属企業の場合)
そこで、大企業の採用活動が、今まさにたけなわとなっております。
中小企業の場合も、
大体このスケジュールを横目に見て、採用活動が進められているものと思われます。
正社員採用の現状
帝国データバンクの調査によりますと、
2015年度に正社員の採用予定があると答えた企業は63.6%になり、
リーマンショック前の2008年度以来、7年ぶりに6割の大台に乗せております。
正社員の採用予定は大企業の82.1%に対し、
中小企業は58.3%にとどまり、企業規模での濃淡が見受けられます。(全国の1万593社が回答)
会社としてどういった人材の活用に注力しているかを聞いたところ
「若者」が34.1%と最も高く、また「女性」は15.1%でした。
ところで、
「どうも我が社は人材が集まらない」とお嘆きの中小企業の社長さんがおられますが、
それは社長のやり方がまずいからです。
「人手」を採るのか「人材」を採るのかでやり方が違う
まず、今日、明日の仕事あるいはルーチンワークをこなす「人手」を採るのか、
それとも、将来を担う会社の骨格になる「人材」を採るのか、分けて考えないといけません。
実際の採用にあたって、この両者はかなりやり方が違っています。
単なる人手を求めるのであれば、
これは限りなく時給競争、労働条件競争に突入せざるを得ません。
時給800円より950円、さらに1,000円というように
現在のアルバイトやパート市場はますます高給化してきています。
本来なら単なる「人手」ならパート・アルバイトでよいはずです。
しかし、意外に人件費はかさみ、仕事の能率は上がらない、
さらに、 いつ辞めていってしまうのか分からないというのでは、
いつも不安状態が続き、高度なノウハウや技能の継承はできません。
だとしたら、ここで頑張って、もっと長期的に考え、
真剣に正社員、つまり人材の確保に力を入れた方が賢明というものです。
新卒とキャリア(中途)、どちらを採用するのか
中小企業に在籍している人のなかに優秀な人材がいない場合、経営者はどうするでしょうか。
特に、高度技術専門職やマネジメントを任せられるリーダーや将来の幹部候補は、
社内で育ってきにくい場合が多いものです。
そのときに、外部から中途採用できないかと考えることになります。
社長自らが日々の営業開拓や技術開発に忙殺されていて
人材育成まで手が回らないからです。
人材の育成は一朝一夕にできるものではなく10年、20年という時間がかかるため、
いっそのこと外部から実績のある人を迎えられないか、という考えを持つことになるのです。
いわゆる「即戦力」採用です。
特に新興企業や外資企業が急成長してゆくためには、
新卒の成長を待つなどといった悠長なことを言っていられないでしょう。
そのようなことで、
採用の9割はキャリア(中途)採用という中小企業もあります。
しかし、よく考えて下さい。これには大きな問題があります。
次回は、キャリア(中途)採用の問題点についてお話しします。
■次回のテーマは
<新卒とキャリア(中途)採用の割合はそれでいいのか>です。
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